2020年05月08日

新型コロナに感染した乳児の入院における汚染状態

新型コロナに感染した乳児の入院における汚染状態



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 雑誌Annals of Internal Medicineに掲載されたシンガポールからの報告です。
生後6カ月の乳児が新型コロナのPCR検査で陽性のため入院しました。
この乳児は症状もなく元気な状態です。個室での入院となったため、病室の汚染状態を調べています。
乳児という特別なケースですが、全般的にも当てはまる示唆に富む報告です。 (letters)


纏めますと

1) 新型コロナの伝搬に関しては、飛沫感染と接触感染が主体と考えられています。
   空気感染(airborne)と媒介物(fomite)に関しては不明な点もあります。

2) 生後6カ月の乳児が新型コロナの確診をPCRで受けています。
   入院の2日間は個室の各部位でウイルスを同定しました。




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   上の表でNOは同定されない。数字の少ない方が、ウイルス量が多い事を意味します。

3) 介護者のマスク、face shield、個人防護服にはウイルスは同定されませんでした。
   乳児のベッドが一番多いのは理解できます。本乳児は咳をしていませんが、啼泣や「よだれ」から
   ウイルスがテーブルにまで飛散する事は想像できます。しかし1mも遠く離れたテーブルの方が
   ベッドのそば(cot side)よりウイルス量が多いのは、単に飛沫感染だけでは説明できません。

4) 介護者がミルクを飲ませたり、お尻を拭いたりする際にテーブルを利用しています。
   また、いろいろな媒介物も使用しています。
   筆者によると、汚染はこの事が中心ではないかと推定しています。

5) 介護者の個人防護服も重要だが、その都度の手洗いが汚染防止には特に必要としています。





私見)
 「日本には安全と水が豊かにあり、その重要性に無関心である。」とある書物に書いてあった記憶が
  あります。
  安倍さんのいう水の豊富な「美しい日本」が、コロナの拡大を防いでいるのかもしれません。
  職員の皆さん、これからも手洗い励行に加えて、アルコールと漂白剤による媒介物やテーブルの消毒
  にも励んでください。





コロナ 乳児1.pdf










posted by 斎賀一 at 18:53| Comment(1) | 感染症・衛生