2020年03月09日

新型コロナウイルス患者の隔離室における汚染

新型コロナウイルス患者の隔離室における汚染
 
Air, Surface Environmental, and Personal Protective
Equipment Contamination by Severe Acute
Respiratory Syndrome Coronavirus 2 (SARS-CoV-2)
From a Symptomatic Patient



20309.PNG


 
 新型コロナウイルスは院内感染の報告があります。しかし詳細な伝搬の形式などは不明です。

 今回雑誌JAMAより、シンガポールで入院患者3名の空気検体と26カ所の表層検体を採取して、
汚染の度合いを調査しています。
隔離室の空気の換気は1時間に12回行っています。空気検体はポンプを用いて2日間行っています。
表面検体は2週間で5回実施しています。
隔離室のクリーニングは1日2回、床は毎日実施しています。




          20309-2.PNG
 
         赤が汚染度が高い、黄色が軽度、ブルーは汚染が無い。
  



結果)
 患者Aと患者Bはクリーニング後に標本を採取して、患者Cはクリーニング前に実施しています。
 患者AとBでは標本の全てが陰性でしたが、患者Cは部屋の15か所中13か所が陽性で、トイレの周り
 では5か所中3か所が陽性でした。
 患者Cは肺炎を合併していませんが、咽頭スワブ検査よりウイルスの排出が多く測定されています。
 つまり患者Cは排出の多い人です。
 個人防護服からは靴の表面から1例検出されていますが、その他の部位は全て陰性でした。
 靴の汚染も低いものと思われます。

 空気からの検体は全て陰性です。
 便器の周囲に陽性所見がありましたが、患者Cは消化器症状が無いにもかかわらずウイルスを排出して
 いる事を示唆しています。
 換気扇の装置は陽性ですが、飛沫感染の粒子(droplet)が付着したものと考えられます。
 別室(anteroom,clean corridor)は陰性でした。




結論)
 感染形式は飛沫感染が主体。
 症状とは関係なくウイルスを大量に排出する人がいる。
 糞便も重要な感染形式である。
 病室のクリーニングは従来通りで十分である。
 (Twice-daily cleaning of high-touch areas was done using 5000ppmof sodium
  dichloroisocyanurate.
  The floor was cleaned daily using 1000 ppm of sodium dichloroisocyanurate.)
 防護服の汚染は少ないようだ。

 以上の結果には限界がある。
 ウイルスの培養をしていない。
 症例が3例と極めて少ない。





私見)
 厚労省は訳のわからない理由を付けて、開業医にはPCR法をさせたくない様です。
 それとも私よりも楽観論者で開業医がバンバン検査をする前に流行は終息すると予想している
 ようです。 

 今回の論文により楽観論者の私は防護服を着ても着なくても罹る時は罹ると想像しますが、それでも
 発熱の患者さんで先ずインフルエンザの鑑別が必要な時には、防護服をコロナに準じて装着して参り
 ます。
 (本院のトイレの清掃は一層の注意を払って参りますが、不要不急の排便は控えてください。
                                                ・・・ 冗談です。)






jama.pdf








posted by 斎賀一 at 18:00| Comment(1) | 感染症・衛生