2020年03月03日

新型コロナ感染者の検体採取は鼻腔スワブでよい?

新型コロナ感染者の検体採取は鼻腔スワブでよい?
 
SARS-CoV-2 Viral Load in Upper
Respiratory Specimens of Infected Patients
  This letter was published on February 19, 2020,
and updated on February 20, 2020, at NEJM.org



20303.PNG




 新型コロナ感染者の、スワブ検体におけるウイルス量から何が見えてくるかを報告した論文が、
雑誌NEJMに掲載されています。


纏めてみますと

1) 以前の流行したサーズ(SARS-COV)の時は発症後にウイルスの伝搬がおきていて、病初期に
   おいては上気道にウイルスの量は少なく、有症状の10日目がピークを迎えると報告されています。

2) 今回、経時的に新型コロナ(COVID-19)の感染者18名の検体より、ウイルス量を測定しました。
   男性9名、女性9名で平均年齢は59歳(26~76歳)です。
   武漢以外の人14人中13人に、CT検査で肺炎と診断しています。
   対象者の内17名は、発症(symptomatic)の最初の日から鼻腔及び咽頭スワブによる検体から
   ウイルス量を調べました。
   グラフのCT value値の少ない方が、ウイルス量が多い事を示します。

3) 結論として、ウイルス量は症状が発現後直ぐにピークとなり、その後は下降します。
   また咽頭スワブよりも、鼻腔スワブの方が診断確率は高い傾向でした。
   この事からCOVID-19は、以前のSARS-COVよりもインフルエンザウイルスの伝搬に似ています。
   また、無症状(asymptomatic)の人も症状のある人(symptomatic)と同等のウイルス量が
   ある事を考えると、無症状や軽症者からのウイルスの伝搬の可能性が高い事を示しています。
   この事が、今回の新型コロナ(COVID-19)の隔離とコントロールの困難さを表しています。
   今後はウイルスの培養との比較が必要だが、病初期5日間の上咽頭(この場合は鼻腔及び口腔を
   表すと思われます。)での検査が勝負となります。





         20303-2.PNG

         20303-3.PNG

         20303-4.PNG



 
  
   

私見)
 桜さん、私がランプ法を忘れてしまったのは、口腔スワブが何となく嫌いだったからです。
 もしも鼻腔スワブで良いならば、バンバンやりますよ。



 この時期、呼吸器専門家のブログが参考になります。

  https://pulmonary.exblog.jp/




追伸)
 新型コロナの検査が保険適応になり検査が実地医家でも可能になった場合に、本院で検査を
 バンバンやれば診療態勢に混乱が生ずるとの院内での反対意見に対して、院長の私の不適切
 発言であったことを認めます。
 仮に近々ランプ法等の検査が可能になっても、実施には適切に対応して参ります。
 また、検査に対して政府の早急なガイドラインの構築をお願いします。





NEJMc2001737.pdf







posted by 斎賀一 at 19:54| Comment(0) | 感染症・衛生