2020年03月17日

小さな戦い・新型コロナ

小さな戦い・新型コロナ

      <業務連絡用>


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 新型コロナが世界を席巻しています。連日の報道でパンデミックがパニックになっています。日本プライマリ・ケア連合学会から手引き書が発刊されています。連日のように厚労省よりファックスも届きます。
それらを参考にしながらも、ふつふつと釈然としない気持ちが残るのは私だけでしょうか?

 取り敢えず、本院の皆の意見を取り入れて職員が職員のための手引きを書いてくれましたので、
職員の皆さん、参考にしてコロナに立ち向かいましょう。
自分の事(本院の患者さん、職員)は自分で守る意外に道はないと達観しています。

 そんな時「NHKの小さな旅」はイラついている私を諭してくれます。
前々回は千葉県の鋸山の山道修復に携わるボランチアの皆さんの話でした。
前回は震災で壊れた数百年の歴史ある笠間の登り窯の修理に携わる14代目の女性陶芸家
(伊藤慶子さん)とその仲間の話です。
何れも復興に掛ける人々の思いが伝わります。復興する事がその人の生きる事だと理解できました。
私もコロナにへこたれずに、あの14代目の女性陶芸家の父の様になりたいものです。
  



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2020斎賀医院院内感染予防対策(COVID-19).pdf

新型コロナと実地医家.pdf









 
 
         
posted by 斎賀一 at 18:53| Comment(0) | 感染症・衛生

2020年03月16日

潰瘍性大腸炎の食事に対するガイダンス

潰瘍性大腸炎の食事に対するガイダンス
 
Dietary Guidance for Patients with Inflammatory Bowel Disease
from the International Organization for the Study of Inflammatory
Bowel Disease Clin Gastroenterol Hepatol 2020 Feb 14



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 潰瘍性大腸炎に対する食事療法は、大腸憩室炎に似ています。私のブログもご参照ください。
今回、潰瘍性大腸炎の食事に対するガイダンスが載っていましたのでブログしてみます。
結論から説明した方が手っ取り早いので、患者さん用のイラストから説明します。



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本院では、クローン病は専門病院に紹介し治療もお願いしていますので、主に潰瘍性大腸炎を解説
します。
上の図の右が潰瘍性大腸炎で、左がクローン病です。
緑が推奨食品で、赤が避ける食品です。
(本論文は最初より拍子抜けの記載から始まっています。
「潰瘍性大腸炎の患者の中には食事療法のみで治そうとするストイックな考えの人がいるが、自らの
食事療法には限界がある。」
推奨されている食事に対してもエビデンスが少ない場合があり、また反対の研究もあったりと本論文を
読むに従って、結局は上の図を参考にバランスの良い食事が大事だと納得しました。)


気持ちを切り替えて纏めてみますと

1) 果物と野菜
   (上図ではクローン病になっていますが、潰瘍性大腸炎を含めた炎症性腸疾患にも当てはまった
    記載です。)
   果物と野菜の食物繊維は小腸では消化されず、大腸の中の腸内細菌の酵素により消化される。
   一般的には水溶性食物繊維の方が非水溶性よりも吸収が早い。発酵により酪酸などの短鎖脂肪酸
   (SCFA)が生成され、大腸の粘膜のエネルギー源として働きますが、活動性の炎症性腸疾患では
   この短鎖脂肪酸が減少しています。
   食物繊維の摂取不足は、大腸粘膜における腸内細菌の消耗に繋がる。
   一方でバナナやブロッコリなどの特別な水溶性食物繊維は、悪玉の腸内細菌の癒着や体内への
   移行を阻止します。そして共存する善玉の腸内細菌を殖やす短鎖脂肪酸のための基質を生成
   します。
   研究では炎症性腸疾患の患者は、発症前には野菜や果物の摂取が少ない傾向でした。
   しかし研究によっては野菜や果物を多く摂取しても効果がないとする論文もあります。

2) 砂糖(refined sugar)と炭水化物
   潰瘍性大腸炎との関係は明白なエビデンスはない。

3) 赤肉、加工肉、鶏肉、卵
   赤肉と潰瘍性大腸炎との関係は6/8研究で認められている。
   鶏肉と2個/日の卵は、クローン病の再炎の頻度を下げる。

4) 乳製品
   炎症性腸疾患との関係は指摘されているが、乳製品との関連性は明白には証明されていない。
   大腸炎動物モデル(DSS-animal model)ではカゼインが炎症性腸疾患の
   症状の悪化に関係しているとの報告がある。しかし人体では明白なエビデンスはなく、悪化は
   証明されていない。
   乳糖不耐症の場合がクローン病で多い。
   但し低温殺菌のされていない牛乳(unpasteurized milk)は避けるべきです。

5) 脂肪
   脂肪は肉類の摂取と関連性がある。特に加工肉と硫黄が再炎のリスクとなる。
   ・飽和脂肪酸(saturated)
    ココナッツ油、パーム油、乳製品の中にあるミリスチン酸が潰瘍性大腸炎の発症に関与している。
   ・不飽和脂肪酸(unsaturated)
    オリーブオイル、マカダミアナッツはクローン病に有効
    オリーブオイルは潰瘍性大腸炎の治療効果がある。
   ・多価不飽和脂肪酸(PUFAs)
    サケ、サバ、ニシン、植物性のクルミ、亜麻仁油、ナッツ
    n-3対n-6の比が1対1の場合には潰瘍性大腸炎の寛解を促進する。
    少人数の研究では明白な結果は出ていない。
   ・トランス脂肪酸
    明らかに炎症性腸疾患の増悪因子である。

6) アルコール
   炎症性腸疾患との関連性は指摘されていない。
   しかし少人数の研究ではあるが潰瘍性大腸炎の増悪(trigger)に2.7倍関与していた。

7) その他
   上図の乳化剤、人工甘味料、添加物などは潰瘍性大腸炎の増悪因子である。
   下記のPDFを参照ください。

8) 結論
   赤肉、加工肉、マーガリン、乳化剤、人工甘味料、その他の添加物には注意して、バランスの良い
   食事を心がける。






私見)
 上図と論文中の表を下記のPDFに掲載します。
 その他関連する私のブログ及び添加物(酸化チタン、saturated FAT、トランス脂肪酸、パーム油、飽和脂肪酸、マルトデキスロリン、乳化剤、亜麻仁油)に関してネットで調べたものを同時に掲載します。








1 イコサペント酸(EPA製剤)は高中性脂肪血症の心血管疾患を軽減する_.pdf

2 結腸憩室炎の予防と食事の関係_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

3 週二回は魚を食べましょう_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf



      0118-2-e8fad-thumbnail2[1].png



アメリカの食品規制事情:トランス脂肪酸 – アメリカで10倍うまく立ち回る方法.pdf

アメリカンフードの記載でSaturated FAT とありますが、日本... - Yahoo!知恵袋.pdf

カゼイン.pdf

マルトデキスロリン.pdf

ミリスチン酸.pdf

亜麻仁油.pdf

英語単語の意味がわかりません・・・・・。 - vegetable oil ... - Yahoo!知恵袋.pdf

酸化チタン.pdf

脂肪酸 トランス.pdf

脂肪酸.pdf

水溶性食物繊維.pdf

乳化剤.pdf

飽和脂肪酸.pdf












posted by 斎賀一 at 18:24| Comment(0) | 消化器・PPI

2020年03月13日

前立腺癌の診断におけるMRIを用いた生検の有用性?

前立腺癌の診断におけるMRIを用いた生検の有用性?
 
MRI-Targeted, Systematic, and Combined
Biopsy for Prostate Cancer Diagnosis
N Engl J Med 2020;382:917-28.


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 前立腺癌は、低悪性度(indolent)から死亡率の高いものまで幅の広い癌です。
現在では診断のための生検は、エコーによるガイド下で12穿刺(systematic)が標準的です。
しかしこの方法では癌を見落とすことがあることと、逆にグレード分類の間違いもあり、過剰診断と過小
診断に繋がる問題があります。
systematic法により根治治療の手術を受けた人の43%が低悪性度であり、放射線治療を受けた60%がグレード1であったとの報告もあります。
 一方、最近では前もってMRIで疑わしい所見の部位を同定し、ターゲット部位を生検する方法が主流に
なりかけています。 (MRI-targeted)
MRI 標的生検(MRI-targeted法)が系統的生検(systematic法)に代わるものかを調べた論文が、
雑誌NEJMに掲載されています。
MRI-targeted法単独、systematic法単独と両者を併用したcombined法を比較しています。


纏めますと

1) 対象者は18歳以上で、PSAが高値か直腸指診で異常所見のある人です。
   コンサルトでMRIを受けてMRI 可視病変を有する男性に、MRI 標的生検と系統的生検の両方を
   行いました。
   2,103 例が両方の生検を受け、そのうち 1,312 例(62.4%)がこれらの 2 つの生検の併用
   (併用生検)により癌と診断され、404 例(19.2%)が根治的前立腺全摘除術を受けています。
   主要転帰は、グレードグループ(グリーソン分類)別の癌の検出としています。
   グレードグループ 1 は臨床的に重要でない癌、グレードグープ 2 またはそれ以上は予後良好な
   中リスクまたはそれ以上の癌、グレードグループ 3 またはそれ以上は予後不良な中リスクまたは
   それ以上の癌としています。

2) 生検後に根治的前立腺全摘除術を受けた男性において、生検から全手術標本の病理組織学的
   検索でグレードグループの上昇と低下を記録しました。

3) 生検後に根治的前立腺全摘除術を受けた 404 例で調べますと、併用生検は手術標本の病理
   組織学的解析で、グレードグループが 3 以上に上昇した患者の割合(3.5%)が低く、MRI 標的
   生検(8.7%)、系統的生検(16.8%)と比較して最小でした。

4) もしもMRI 標的生検だけで診断すると30.9%のupgradeとなり、その中の8.7%が臨床的に重要
   なupgradeとなっており結果的には見落としとなります。
   一方で統計学的に解析しますと、系統的生検をしないとグレード 3 以上の癌の見落としが1.9%で、
   グレード 2 以上の癌の見落としは5.8%となります。
   つまりMRI 標的生検は、完全に系統的生検に代わる方法ではない様です。

5)結論
  併用生検が生検の精度を上げている。
  下のグラフは根治的前立腺全摘除術を受けた男性404 例の解析です。

   (46+168+63+125=402)


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   上のグラフは、根治的前立腺全摘除術を受けた男性404 例を全標本で調べています。
   それを正解として見た時に、其々の生検の仕方の精度を表しています。
   赤が見落としに相当し、青が過剰診断と捉える事も出来ます。
   論文では青に関しては各生検方法に差は無いとして詳しくは解説していません。
   濃い青の部分を言っているようです。






私見)
 明らかにMRI 標的生検の方が系統的生検に比べて精度は高いのですが、ザックリと言ってMRI 標的
 生検だけですと、見落としが8.7%で過剰診断が2.5%となります。系統的生検を更に追加すれば、
 見落としは3.5%まで低下できるとしています。


 ただ問題は 「私のいとしのエリー」 に対して、更に串刺しを12回もお願いするかと言う事です。
 今までの私のブログより文献等を下記に掲載します。








1 前立腺ガイドライン.pdf

2 前立腺癌に対する新しいガイドライン_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

3 前立腺癌学習.pdf

4 前立腺文献1.pdf

5 MRI.pdf

6 前立腺癌の治療.pdf

7 前立腺癌のMRI検査の有用性_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

8 早期前立腺癌の根治手術と経過観察(積極的監視)の比較_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

9 前立腺.pdf

10 PiRADS v2による.pdf


















posted by 斎賀一 at 18:12| Comment(2) | 泌尿器・腎臓・前立腺