2020年02月06日

前立腺癌検診のPSAによる効率化

前立腺癌検診のPSAによる効率化

Association of Baseline Prostate-Specific Antigen Level
With Long-term Diagnosis of Clinically Significant Prostate Cancer
Among Patients Aged 55 to 60 Years
JAMA Network Open. 2020;3(1):e1919284


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 55~60歳の人のPSAを用いた前立腺癌の検診を検討した論文が、雑誌JAMAに掲載されています。
腫瘍マーカーの中では、唯一と言ってもよいPSAが検診に採用された1990年代から、
一時は批判的な時を経て、最近ではやや見直されています。
しかし、どの様にPSAというツールを利用するかは議論が分かれています。
又、前立腺癌そのものの生物学的特徴(indolent;進行が遅く臨床症状がない潜在癌の場合も多い)
から過剰診断と過剰治療も指摘され、PSA検診そのものの意義も問われています。


論文を纏めてみますと、


 1) 55~60歳(平均57歳)の10,968人が対象です。
    ベースラインとして1回のPSA検査で、その後の13年間の経過観察です。

 2) 主要転帰は、

    ・何らかの前立腺癌の診断(any prostate cancer)と
    ・臨床的に明白な前立腺癌(clinically significant prostate cancer)です。
  
    尚、clinically significant prostate cancerの定義は、
      
      T2b、グリソンスコアの7以上、前立腺癌での死亡のいずれか
      前立腺癌の摘出術の場合はT3以上、グリソンスコアの7以上、
      リンパ腺転移のいずれか

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 3) 結果
     13年間で前立腺癌の死亡はたったの15例のみで、PSAが2.0以上は、9例(60%)でした。

 4) 結論
     55~60歳でPSAが2.0以下では繰り返しの検査は必要でなく、
     1.0以下では、その後のPSA検査は実施しなくてよい。

              
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私見)
 60歳以下でPSAが1.0以下ならば、10年間はPSA検査をしなくてよいと指導して良さそうです。
2.0以下の場合は5年後に再検し、4.0以下なら3年後でも良いでしょうか?

1 前立腺癌.pdf

2 前立腺癌 ガイドライン.pdf







posted by 斎賀一 at 12:37| Comment(0) | 泌尿器・腎臓・前立腺