2020年02月12日

ゾフルーザは季節性インフルエンザ治療に使うべきではない 菅谷憲夫氏の提言

 
ゾフルーザは季節性インフルエンザ治療に使うべきではない 菅谷憲夫氏の提言
 

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 以前より、インフルエンザにおけるオピニオンリーダの菅谷憲夫氏がゾフルーザに関して懸念を表明していましたが、今回雑誌小児科に同氏の提言が載っていましたので纏めてみます。


1) 最近になって、ゾフルーザの耐性ウイルスが問題となってきたが、実際には治験時から高率に耐性が
   発生することは明らかであった。
   治験の成績で、成人ではA香港型(H3N2)  インフルエンザに対して9.7%(36/370)
   H1Nlpclm09に対して2.2% (4/182)   小児ではA香港型で23.4% (18/77)
   に耐性ウイルスが検出された。

2) 耐性が出た患者では、罹患期間が延長することが治験で証明されている。
   成人では耐性がない患者での罹患期間は49.6時間で、耐性が出ると63.l時間まで延長するが、
   プラセボ患者群の80.2時間と比べると短縮していた。

3) 実際、ゾフルーザ治療歴のない患者数例から138T 耐性ウイルスが検出され、耐性ウイルスが
   周囲から感染発病したと考えられた。

4) 重大な副作用はみられないとされてきたが最近になり出血が報告され、厚生労働省によるとゾフ
   ルーザを飲んだ後、血便や血尿など出血がみられた症例が計25例あり、このうち13例は因果関係
   を否定できなかった。

5) ゾフルーザの利点としては (存在価値)
   欧米では発症してから4~5日目以降の重症例の入院が多く、その時点から開始するオセルタミピル
   治療は十分な効果が期待できなかった。
   季節性インフルエンザの重症例には、ゾフルーザとオセルタミピル併用の有効性が期待されている。
   オセルタミピルはゾフルーザの138T 耐性変異ウイルスに有効であり、一方のゾフルーザはオセル
   タミピル耐性ウイルスに有効なので、併用することにより双方の耐性を抑えることが可能であり相乗
   効果も期待されている。
   現在ロシュ社が中心となり世界的に併用療法の治験が進行中で、オセルタミピルの連日投与とゾフ
   ルーザの4日ごとの投与、オセルタミピルの連日投与とプラセボ4日ごとの投与群での臨床効果が
   比較検討されている。  
   (以上すべてコピペ)





私見)
 生来、未練がましい私としましては、ゾフルーザを特定の患者さんに今シーズンも投与していました。
 以前のブログでも紹介しましたが、基礎疾患のある成人の方や、喘息や肺炎を合併している場合で短期
 での勝負をしたい時に先ずゾフルーザを処方して、翌日好転が見込まれないと判断したら電話診療にて
 タミフルを追加処方する考えでした。
 運よく本院では、ゾフルーザ処方の患者さんは全て順調な回復であったようです。
 今後も実地医家では、最初より併用療法は難しいと思いますので上記の方針で参ろうと存じますが?
 










posted by 斎賀一 at 18:52| Comment(0) | インフルエンザ

2020年02月10日

米国予防接種スケジュール・2020年版

米国予防接種スケジュール・2020年版
 
Recommended Adult Immunization Schedule, United States, 2020*
 


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 残念ながら、ワクチンのガイドラインは多くがアメリカ発に追従の印象です。
今年度も例年とさほど違いはないようです。


1) インフルエンザ
   各学会のガイドラインに沿っています。
   卵アレルギーの場合は、発疹程度なら特に接種しても構わない。
   発疹以上の症状があれば専門家の監視の基に接種

2) 麻疹、おたふく、風疹
   専門学校や大学(postsecondary)の学生で
   以前にMMRの接種が無い場合は、4週間あけて2回接種
   以前に1回接種してあれば、1回の追加接種
   (日本では抗体検査を行う事が多いので、若干異なります。)



          20210-2.PNG



     
3) 肺炎球菌ワクチン
   65歳以上の人が23価ワクチン(ニューモバックス)を接種して、5年以上経ってから2回目を
   考慮した場合、13価ワクチン(プレベナー)を接種するかは特に勧奨するのでなく、医師
   (shared clinical decision-making)との相談で総合的に決定となっています。






私見)
 下記に文献をPDF化して掲載します。
 肺炎球菌ワクチンについては以前にブログしてありますので、ご参照ください。







1 スケジュールワクチン .pdf

2 本論文.pdf

1  65歳以上の肺炎球菌ワクチンについて_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

2 肺炎球菌ワクチン雑感_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

















posted by 斎賀一 at 18:00| Comment(0) | ワクチン

2020年02月08日

新型コロナウイルス対するリスク評価の暫定的なアメリカのガイドライン

新型コロナウイルス対するリスク評価の暫定的なアメリカのガイドライン
 
Interim US Guidance for Risk Assessment and Public
Health Management of Persons with Potential 2019
Novel Coronavirus (2019-nCoV) Exposure in Travel
associated or Community Settings



20208.PNG



 新型コロナウイルスに関する知見が毎日のように更新されています。
2月5日の時点で、アメリカCDCからのリスク評価が出ています。
実地医家として知っておくべき領域のみ抜粋してみます。


1) ウイルスのいる表面や物質に接触することにより、更に自身の口、鼻、目に触れて感染が成立
   するかは現時点では不明である。

2) 感染暴露のリスク  



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   飛行機の中で赤が患者とすると、2座席隣までが中等度のリスクで、2座席より離れているが
   2列以内の場合が低リスクです。
   (飛行機では横断して換気していますが、前から後ろまで全体に換気してはいないとの事です。)

3 ) 高リスク
    新型コロナウイルスの診断をされた人と同居したり親密な関係の人で、隔離などの適切な
    対応をしていない場合
    湖南省からの渡航

4) 中等度リスク
   他の国で新型コロナウイルスの診断を受けているが、未だ確定診断か不明の場合
   飛行機で2座席以内
   新型コロナウイルスの患者と同居はしているが、注意勧告に従って対応している場合
   湖南省以外の中国からの渡航
   (アメリカではバッサリとカテゴリーに入れています。)

5) 低リスク
   新型コロナウイルス患者と同室(クラスルーム、病院の待合室など)に長時間同席していた場合
   飛行機で新型コロナウイルス患者の2列以内にいた場合


6) 明白なリスクがない場合
   新型コロナウイルス患者近辺の歩行、短時間の同室ではリスクが乏しい

7) 管理および隔離の基準は下記のPDFを参照
   無症状の人でも、高リスクと中程度リスクの人は隔離の方向の様です。






私見)
 これはアメリカでのガイドラインです。注意して読まなくてはなりません。
 またそのまま中国と日本との関係には当てはめられません。
 しかし、注意事項としては実地医家にとっても参考になります。






CDC コロナ.pdf









posted by 斎賀一 at 15:34| Comment(1) | 感染症・衛生