2020年01月27日

インフルエンザのタミフルの有効性について

インフルエンザのタミフルの有効性について
 
Oseltamivir plus usual care versus usual care for
influenza-like illness in primary care: an open-label,
pragmatic, randomised controlled trial
www.thelancet.com Vol 395 January 4, 2020



20127.PNG
   


 インフルエンザに対するタミフルの有効性に関しては、論議が様々です。
有効性に関して、否定的な立場からインフルエンザの診断のみで経過を見ると言った医療現場もあり、
治療方針も多用です。
 
 今回英国の雑誌Lancetより、比較的タミフルには好意的な論文が出ていましたのでブログしてみます。


1) ヨーロッパではインフルエンザに対する抗ウイルス薬の効果は限定的である事より、実地医家では
   処方されない事が多い。
   しかし、多くの研究が非盲検試験(open-label)であり、患者の意図性を反映してしまう。
   また回復に対する個人の積極性が影響してしまう。

   その他としては
   ・コントロールスタディであり、通常の治療にタミフルを追加した研究でない。
   ・色々なサブグループを対象にしておらず、インフルエンザからの回復が従来早い人も含まれて
    いる。
   ・回復の聞き取りが一日一回のため、細かい違いが表されない。
   ・ワクチンの接種の関与も算定しにくい。

2) 本論文では2016〜2018年間のインフルエンザシーズンにおけるヨーロッパ15か国のデータです。
   3,266人を登録しています。これにはインフルエンザ様疾患も含まれます。
   (PCR法で確診したのは52%)
   通常の治療にインフルエンザを追加した群の1,629人と、通常の治療群の1,637人に振り分けて
   います。

3) 主要転帰は発熱、頭痛、筋肉痛等の消失による通常生活の回復までの期間としています。



         20127-2.PNG



    
4)(ベイズ統計学的な推定をしており、私は十分な解説が出来ないので結論だけを記載します。
   尚、結果は表を見た方が理解しやすいので、下記のPDFで解説します。)

 結 論  
  ・以前の研究では発症後48時間以内のタミフル投与が有効とされていたが、本研究では早期の
   タミフル治療の追加だけが特別に有効とは言えず、48~72時間後でも同様に有効であった。
  ・基礎疾患のある人、65歳以上の高齢者、インフルエンザの症状が長引いている人等に対しては
   タミフルの服用によって病状を2~3日短縮できる。
   これらの人はインフルエンザウイルスの増殖が続いているため、タミフルの服用が有効と思われる。
  ・タミフル服用による肺炎や入院の予防の効果はあまりないが、抗生剤の服用の低下や周囲への
   感染の予防効果は認められた。






私見)
 タミフルを処方する際に、実地医家の私としましては(real-world)背中を押された感じです。
 以前のブログも下記に掲載します。






本論文より.pdf

タミフルの小児における効果と安全性_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf









posted by 斎賀一 at 18:14| Comment(0) | インフルエンザ