2020年01月20日

新型コロナウイルス肺炎への対応指針

新型コロナウイルス肺炎への対応指針
       業務連絡用




 中国の武漢以外でも新型コロナウイルス肺炎が発生しています。
また、武漢でも発表以上の患者が発生している可能性もあり、予断を許さない状態です。
日本でも万全の体制が必要となっています。
 国立感染研究所より、医療機関の対応指針が発表になりましたので掲載します。

本院でモディファイした対応の流れを記載します。


1) 37.5℃以上の発熱が3日以内にあり、呼吸器症状を伴う。

2) 発症から2週間以内に中国から渡航した人。

3) かつ の人はサージカルマスクを着用し、感染症室で診察
   スタッフはN95を着用する。

4) 先ずインフルエンザ迅速検査を実施

5) インフルエンザ迅速検査が陰性の場合は保健所に連絡する。






私見)
 スタッフの皆さん、受付で中国から渡航された方は事前に申し出るよう、お願いしてください。









新型肺炎 厚労省.pdf







posted by 斎賀一 at 18:06| Comment(0) | 感染症・衛生

2020年01月18日

心房細動を有するアルコール飲者の断酒による効果

心房細動を有するアルコール飲者の断酒による効果
 
Alcohol Abstinence in Drinkers with Atrial Fibrillation
N Engl J Med 2020;382:20-8.



20118.PNG



 アルコールの摂取量と心房細動の発生の関係は以前より報告されています。
以前の私のブログでも紹介しましたが、今回はオーストラリアからの断酒による効果が雑誌NEJMに報告
されています。
(節酒はお酒をやめることでなく、自分で目標や制限を作って飲むこと。
 禁酒は一定の期間を決めて止めることで、病気になり医者にお酒を止めなさいと言われて止めること。
 断酒は自分の意思で今後お酒を飲まないと決めること。    以上ネットより)


纏めてみますと

1) 基準飲酒量が週10ドリンク以上(1ドリンクの純アルコール量は約12g)で発作性心房細動
   または持続性心房細動のある人が対象です。
   (1ドリンクとは、コップ一杯のビールか半合のお酒です。)



         20118-2.PNG


  
   アブレーションは実施していないが、どのような薬剤でも良いので、ベースラインとしては洞調律
   (心房細動が消褪している状態)になっている人が対象です。
   140例が登録され男性85%,平均年齢は62歳です。
   70例が断酒群に70例が対照群に割り付けられました。先ずは2週間のブランキング期間を設けて
   それから研究をスタートしています。
   断酒群は週16.8ドリンクから2.1に減少、対象群は16.4ドリンクから13.2ドリンクに減少して
   います。アルコール摂取の記録がされていない場合は、尿検査で確認しています。
   主要転帰は6ヵ月の追跡期間における心房細動の無再発期間と、心房細動の総負荷(心房細動の
   状態にあった時間の割合)の2つとしています。

2) 結果は
   心房細動は、断酒群では70例中37例(53%)、対照群では70例中51例(73%)再発していました。
   断酒群では、心房細動の再発までの期間が対照群よりも長かった。 (危険率は0.55)
   6ヵ月の追跡期間中の心房細動の負荷は、断酒群のほうが対照群よりも有意に低かった。
   (心房細動の状態に合った時間の割合の中央値は、0.5%対1.2%)
   結論として、心房細動を有する習慣的な飲酒者では、断酒により不整脈の再発が減少しました。
   (以上一部日本版参照)

3) 考察
   以前より、週に7~14ドリンクを摂取すると副作用が出現すると報告されています。
   ガイドラインでは3ドリンク以下を推奨しています。
   アルコールと心臓との関連性を論文中で列挙しています。
    ・アルコールは心拍数を減少させる自律神経調節や交感神経を刺激して、心臓に影響する。
    ・大酒は心臓の炎症をも促進する。
    ・飲酒は用量依存的に左房径を増加させる。
    ・飲酒はカテーテルアブレーション後の心房細動の再発を助長する。
    ・飲酒により体重増加を招き心外膜の脂肪組織が増加するが、この事が心臓における炎症の
     パラメータともなる。


 書き連ねると、アルコールは悪い事ばかりです。
 用量依存性で1~2ドリンクの少量でも、高血圧に影響するとも言われています。
 しかしアルコールと心血管疾患はU型を示しており、適度のアルコール摂取は心血管疾患の予防にも
 なるとの疫学調査もあります。
 そのために、本研究では厳格な禁酒は行わずに、2ドリンク程度の断酒で研究しています。
 結論としては、心房細動のある方は週に2ドリンクが最適としています。





私見)
 マイブームの言葉「それはせつないな〜」と患者さんに言われそうです。
 しかしアブレーションを行うなら、絶対に断酒である事は説明しましょう。




         20118-3.PNG








アルコールの飲み過ぎは心房細動を誘発_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

心房細動の生涯発生頻度と危険因子_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf

発作性心房細動の誘発因子_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf















 

posted by 斎賀一 at 16:59| Comment(1) | 循環器

2020年01月16日

大腸ファイバーの適切な検査間隔は?

大腸ファイバーの適切な検査間隔は?
       <短 報


 最近は大腸がんの罹患率が増加傾向です。
そのため大腸がん検診及びその後の大腸ファイバーの受診率向上も課題です。
従って、患者さんにも負担の多い大腸ファイバー検査の間隔はどの程度にしたらよいか、議論が分かれていますが、一般的に5年としています。
 以前の私のブログでも何回か紹介していますが、今回雑誌BMJより初回に大腸ファイバーが陰性
(正常)の場合、次回の検査は10年後で良いとするメタ解析の報告がありました。



1) 28の研究論文をメタ解析しています。
   初回の大腸ファイバー(index colonoscopy)で所見がない人を対象にしています。

2) 全体的な良性の腺腫性ポリープ及び大腸癌の発生を調べました。
    1~5年では20.7%の発生
    5~10年では23.0%
    10年以上では21.9%の発生頻度でした。
   その殆どが良性のポリープでした。一般的には年数が経つに従って、大腸ポリープの発生頻度も
   増加すると予測されますが、年数によってもあまり相違がありませんでした。
   理由として、大腸ポリープは進展が遅いかもしれませんが、9mm以下のポリープは見逃されている
   可能性も推測しています。

   悪性腫瘍(大腸癌、9mm以上のポリープ、絨毛状パターン、グループ4)の発生の頻度に絞りますと
    1~5年で2.8%
    5~10年で3.2%
    10年以上で7.0%でした。

3) 現在のガイドラインと同じように、初回の大腸ファイバーが異常なければ10年以内に再検査を実施
   すれば良いようです。なぜなら悪性腫瘍発生の危険は、10年以内なら僅か3%としているからです。





私見)
 マイナス思考の私としましては、大腸ファイバー検査で異常なしとしても、9mm以下の小さな
 ポリープは最大で15%見落としている可能性があります。
 また、5年過ぎると3%の悪性腫瘍が発生しているかもしれません。
 本院では従来通り、5年後の再検をお勧めします。






大腸ファイバー negative colonoscopy in average risk.pdf











posted by 斎賀一 at 14:09| Comment(0) | 消化器・PPI