2019年12月21日

結腸憩室炎の予防と食事の関係

結腸憩室炎の予防と食事の関係

Association Between Inflammatory Diets, Circulating
Markers of Inflammation, and Risk of Diverticulitis


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 アメリカでは70歳になるまでに約60%の人が結腸憩室炎に罹患するとの事です。
日本でも食事の欧米化に伴い増加傾向ですし、本院でも腹痛の重要な鑑別疾患となっています。憩室炎の発生機序においては未だ明白でありません。又その予防に関しても確立されていないのが現状です。
今回、憩室炎の発生は、大腸の持続する軽度な慢性炎症によるとの仮説に基づき、その予防を論じた論文が掲載されていましたのでブログします。


 1) 現在では一般的に受け要られている、「憩室炎は、大腸において炎症を抑制する善玉菌が
    減少する事により発生する」と言う説に則った論文です。
    それに従えば、慢性炎症を促進する食事と慢性炎症の血液マーカーとの関係を調べれば、
    因果関係も分かるとの想定です。
    慢性炎症を促進する食事としては大腸癌、心血管疾患、前立腺癌でも用いられている
    Empiric Dietary Inflammatory Pattern (EDIP) scoreを採用しています。
    血液マーカーとしては、CRP、IL6、TNFRSF1Bを採用しています。

 2) EDIPスコアとは、
  
     EDIPスコアが上がる(炎症を促進する)食品は次の通りです。
  
   〇 加工肉・赤身肉・内臓肉・魚肉(背の青い魚を除く;イワシ・サバ・メカジキ・サーモンを除く)
   〇 淡色野菜・トマト
   〇 精白穀物
   〇 糖類や人工甘味料を含有する清涼飲料水
  
     EDIPスコアが下げる(炎症を抑制する)食品は次の通りです。
  
   〇 ビール・ワイン・茶・コーヒー
   〇 赤色や黄色の根菜(サツマイモを含む)・色の濃い葉野菜
   〇 間食(スナック)・100%果汁のジュース・ピザ
  
    EDIPのスコアが低いほど食生活の炎症度が低いとみなされます。
    (ビール、スナック、ピザに関して量が問題の様です)

    本論文のEDIPスコアと主要論文のPDFを下記に掲載します。
    患者さん用のパンフは後日作成します。

 3) 1986~2014年に掛けて、憩室炎のない男性を対象に46,418名を調べました。
    血液サンプルは、1993~1995年に掛けて18,225名を調査しました。
    憩室炎の発生は1110例で、EDIPスコアと比較しています。
    一方で、炎症マーカーでは憩室炎310例とコントロール310例を比較しています。

 4) 結果はEDIPスコアと炎症マーカーをquintile(分位数)で表しています。
    EDIPスコアが高いquintileでは憩室炎の危険率は1.31です。

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               1がスコアが低く、5がスコアが高い食事です。
  
   炎症マーカーではCRP、IL6に関連性はありましたがTNFRSF1Bは低いようです。

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   又、体重(BMI)と運動との関係ではEDIPスコアの方が関与しているようです。

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 5) 結論としては、食事のEDIPスコアと慢性の炎症マーカーのCRP、IL6が、男性における憩室炎の
    発生予測に関係していました。



私見)
 憩室炎の予防に関しては諸説あり、混乱してしまいます。
 UPTODATEによりますと運動、ダイエットも重要な予防因子としていますが、
 本論文ではやや相殺されています。
 取りあえず、緑の葉野菜、濃い黄色の野菜、コーヒーと紅茶を勧め、赤肉、加工肉、洗練された穀物、
 甘い飲み物は控えるよう指導します。
 患者さんのパンフは大阪から帰ってから作成します。
 それまでは、だからと言ってビールの飲み過ぎに注意してください。



0 Association Between Inflammatory Diets_ Circulating Markers of .pdf

1 本論文.pdf

2 Association Between Inflammatory Diet Pattern.pdf

3 PubMed Central, Table 1_ Gastroenterology. 2017 Dec; 153(6)_ 1517–1530.e14. .pdf

4 NIHMS902982-supplement-supplement_1.pdf







posted by 斎賀一 at 19:09| Comment(1) | 消化器・PPI