原因不明の胃潰瘍
Clinical features and natural history of idiopathic peptic ulcers:
a retrospective case–control study
a retrospective case–control study
胃潰瘍の原因はピロリ菌と鎮痛解熱剤(NSAIDs)が主体ですが、最近ではピロリ菌の治療効果と
感染の低下により、ピロリ菌関連の胃潰瘍は減少傾向と言われています。
今回イタリアから、原因不明の消化性潰瘍(IPUD;idiopathic peptic ulcer disease)についての
論文が発表されました。
纏めますと
1) 2002~2018年にかけて、内視鏡検査を受けた9,212人を対象に検討しています。
ピロリ菌、NSAIDs、稀な疾患を除外した原因不明の消化性潰瘍;IPUDと定義しています。
潰瘍のあった380人の内95人がIPUDでした。
IPUD群と潰瘍のないコントロール群を比較しています。
2) 危険因子としては
年齢の危険率は3.520、男性は3.126、入院している場合は2.968、
薬剤の多剤併用の場合は2.808でした。
3) 治療としては潰瘍治療薬のPPIが有効で、40~60日間服用で治癒は97.6%でした。
私見)
論評では原因不明と言っても、その原因を追究する事が重要としています。
しかし、現段階では高齢者の薬剤の多剤併用は、胃にとって何らかの負担かもしれません。
取りあえず、UPTODATEより一般的でない潰瘍の原因を調べました。(unusual peptic ulcer)
下記にPDF化しました。
1 Clinical features and natural history of idiopathic peptic ulcers_ a retrosp.pdf
uptodate unusual-causes-of-peptic-ulce.pdf