2019年11月11日

胃酸分泌抑制薬のザンタックに対する続報・FDAより

胃酸分泌抑制薬のザンタックに対する続報・FDAより
 
Statement on new testing results,including
low levels of impurities in ranitidine drugs
 


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 以前の私のブログでも紹介しましたが、ザンタックに発癌物質のNDMAが混入している可能性についてアメリカのFDAから続報が発表されました。
基本的にはこの不純物は低濃度との事です。


纏めますと

1) ザンタックのメーカからその後のデータを収集し、FDA自らも試験をしています。

2) ザンタックを正常の食事において服用し、胃酸や腸液に触れた後に、NDMAの生成をFDAが調べて
   いますが検出されませんでした。

3) メーカからの報告では、ザンタックに含まれていたNDMAは、食品として焼かれた肉に含まれる量と
   ほぼ同程度との結果報告です。

4) NDMAの許容範囲は  96 nanograms /日、 又は 0.32 ppmです。
   現在はこの範囲を逸脱していない様ですが、FDAは今後もメーカーと協調して監視を続ける必要が
   あるとしています。
   また、なぜザンタックにNDMAが検出されたのか、今後も調査を続けるとしています。

5) 今回は中間報告だが、ザンタックの回収は従来通りに継続するよう勧告しています。

6) 現時点ではザンタックに代わる他の潰瘍治療薬を処方するよう勧める。
   もしザンタックを以前に服用していたり今後続ける場合は、主治医と患者で十分なコンセンサスを
   とる事を勧める。

7) FDAは、患者の不明確なリスクを最大限に減少する努力を今後も採りつづける。そのためには安易
   な結論にならない様、十分な時間をかけて調査をする必要性があると述べています。






私見)
 本院でも出来る限り回収に努力して参ります。
 しかし今までに服用されてしまった方は、必要以上に心配をしなくともよいと理解しています。
 この点に関しては、直接本院のスタッフか医師にご質問ください。





ザンタック FDA.pdf










posted by 斎賀一 at 20:01| Comment(0) | 消化器・PPI