2019年10月11日

3剤配合剤吸入薬(ステロイド+LABA+LAMA)の有効性 喘息のコントロール不良に対して

3剤配合剤吸入薬(ステロイド+LABA+LAMA)の有効性
喘息のコントロール不良に対して
 
Single inhaler extrafine triple therapy
in uncontrolled asthma (TRIMARAN and TRIGGER)



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 コントロール不良の喘息に3剤配合の吸入薬が有効との論文が、雑誌LANCETに掲載されています。
3剤とは吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入β刺激剤、及び長時間作用性吸入β刺激剤です。
大まかに喘息治療の主体は気管支の拡張です。そのため直接的な長時間作用性吸入β刺激剤の
LABAと、間接的な長時間作用型吸入抗コリン剤のLAMAが有効です。
炎症を抑制する吸入ステロイド剤を加えた3剤のタッグは、更に強力です。
 (下記のネット情報をご参照ください。)

 現在日本では、テリルジーとビレーズリが上市されています。但し何れも日本での適応疾患はCOPDで、
喘息は適応外となっています。



LANCETの論文を纏めますと

1) コントロール不良の喘息には、ステロイド(BDP)+LABAに更にLAMAを追加する事が推奨されて
   います。本論文の主旨は、ステロイド+LABAがLAMAを追加する事によりどの程度効果が増加
   するかと、もう一つはステロイド+LABAにLAMAを追加するよりも、最初から3剤を合剤として
   吸入した方が患者にとって有効性(アドヘアランス)が増加するとの推定で、2つの研究(study)
   のTRIMARANとTRIGGERを纏めて掲載しています。

2) ・TRIMARAN 研究は、中等度のステロイド(BDPを100μ)を用いています。
    2剤合剤と3剤合剤の比較試験です。尚LAMAはグリコピロニウムを使用しています。
   ・TRIGGER研究は高用量のBDP(200μ)を用います。
    2剤合剤群と3剤合剤群(LAMAはグリコピロニウム)と、2剤合剤にLAMAのスピリーバを追加
    吸入する群の3群の比較試験です。

3) 対象者は18~75歳で研究の1年前に少なくとも1回以上の急性増悪があった人です。
    (入院もしくはステロイド服用、または点滴)
   期間は2016~2018年間、26週間の経過観察です。

4) 結果は2剤合剤と比較して3剤合剤の中等度以上の急性増悪の軽減率は、
   TRIMARAN では15%でTRIGGERでは12%でした。
   (TRIGGERの方が高用量のステロイドのため差は縮小します。)
  重症の急性増悪に絞りますと、軽減率は23%でした。
  何れも3剤合剤が有効であることを証明しています。
  但し十分な患者選択が出来ないとの研究の制限から、LAMAの合剤か追加かの差は十分には認め
  られなかったようです。
  詳細は下記のPDFのグラフをご参照ください。







私見)
 以前の私のブログをご参照ください。  (LAMAで検索)
 注意して頂きたいのは、日本では3剤合剤の適応はCOPDだけです。
 私の様に何事も直ぐに勘違いする方は、それいけとばかりに突っ走らないでください。 
 それにしましても、ACOSとはなんと良い響きなのでしょうか!







1 Efficacy and safety of dupilumab in patients with severe chronic rhinosinusi.pdf

2 本論文より.pdf

3.pdf

4ビレーズトリ(LAMA_LABA_ICS)の作用機序:テリルジーとの違い【COPD】 - 新薬情報オンライン.pdf

5 ビレーズトリ.pdf

6 テリルジー.pdf














posted by 斎賀一 at 19:26| Comment(1) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2019年10月08日

胃酸分泌抑制薬のザンタックの回収問題について

胃酸分泌抑制薬のザンタックの回収問題について
 
FDA Updates and Press Announcements on NDMA
in Zantac (ranitidine)



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 胃酸分泌抑制薬にはH2ブロッカー(ザンタック、ガスター、アシノン、プロテカジン)と、効果の強いPPIがありますが、このザンタックに発癌物質のNDMAが微量ながら含有しているとして、メーカーが自主回収
しています。

 本院では、当初ジェネリックに関しては対象外と考えておりましたが、今回全ての薬品が対象となって
います。
患者さんには大変ご迷惑をお掛けしていますが、最近アメリカのFDAの見解が報告されましたので、それを纏めてみました。


・ザンタックにNDMAが混入していたのではなく、ザンタックの安全検査の過程で代謝産物としてNDMNが
 産生された。
・この検査は高熱処置で試験する方法で、ザンタックに関しては適当でなく、低温での再検査を指導して
 いる。
・ザンタック以外のH2ブロッカーとPPIにはNDMAの報告は無く、代謝産物としても心配はない。
・ザンタックの一部にNDMAが産生されており、全てのジェネリック製品に該当するわけではない。

しかし懸念する点としては
・体内の温度つまり普通の体温の胃でNDMNが産生されるかは今後の研究による。
・ザンタックの原材料のサプライチェーンとしてインドなどがあり、しっかりとした解析データは無い。

FDAの見解としては、NDMNの混入とは考えていない様です。
よって積極的な回収は勧告していませんが、ザンタックの長期処方はこの際に検討すべきとしています。
日本の厚労省は、全てのラニチジンを回収するよう指導しています。(その日経メディカルの経過報告を
下記に掲載します。)









私見)
 ザンタック錠75と ザンタック錠150がありますが、本院では胃酸分泌のリバウンドを避ける意味で、
 ザンタック錠75のみを短期に処方しています。
 長期処方の場合はガスター20を処方し、継続服用をお願いしています。
 ザンタックは本院でも出来る限り回収の方針です。ご理解を宜しくお願い致します。








FDA Updates and Press Announcements on NDMA in Zantac (ranitidine) _ FDA.pdf

ザンタック 日経メディカル 1.pdf

ザンタック 日経メディカル 2.pdf

ザンタック 日経メディカル3.pdf















posted by 斎賀一 at 20:59| Comment(1) | 消化器・PPI

2019年10月07日

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)


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 2007年にガイドが作成され約10年が経過しましたが、新しい知見を踏まえて本年度2019年3月に
改訂版が作成されています。

雑誌小児科に、紹介の論文が載っていましたのでそれを拝借し、本ガイドラインの本文も下記に掲載
します。(何時もご迷惑をおかけします。)
長いガイドラインですので、要約してPDF化しました。
職員の方も勉強して指導してください。






私見)
 子育ては「信念や主義」ではありません。






離乳食.pdf

厚労省 授乳ガイドライン.pdf

授乳 離乳の支援ガイド(2019改訂版)作成における提言.pdf











posted by 斎賀一 at 20:00| Comment(0) | 小児科