2019年09月09日

実地医家への警告・Choosing Wiselyより

実地医家への警告・Choosing Wiselyより
 
Choosing Wisely list  American Society for Clinical Pathology



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 最新版の"Choosing Wisely"が発表になっていますので、ブログに掲載します。
本院に関連のある項目のみ抜粋してみます。


6) 炎症性疾患で診断が不明の場合、赤沈(血沈)は行わずに寧ろCRP検査を行うべきである。
   炎症が発生して24時間以内にCRPは上昇し、炎症が終焉すれば一両日中に正常化するが、赤沈は
   反応が遅れるし炎症が線維化過程にならない限り正常化しない。
   (現在では赤沈は汎用されていません。しかし不明熱や膠原病の場合、あるいはその他疾患によって
   は治癒判定は、今でもCRPより有効です。)

10) 甲状腺疾患を最初に診断、評価する際に色々な検査を行うのは無意味である。
   TSH(甲状腺刺激ホルモン)を先ず検査して、その次に追加検査を検討するのがリーズナブルで
   ある。TSHは、潜在性疾患の場合も異常値として捉えることが出来る。
   (患者さんには何回も採血をしなくてはなりませんが、ご了承ください。)

13) 急性膵炎の診断にアミラーゼ測定は意味がない。寧ろリパーゼ測定が有効
   急性膵炎の場合にアミラーゼは尿に排出されるが、リパーゼは再吸収され循環する。
   よってリパーゼは、膵障害時にアミラーゼよりも異常値が長時間認められる。
   アミラーゼは発症後3〜6時間以内で急に上昇し最高値となり、5日間で消褪する。
   一方リパーゼは24時間以内に最高値となり、8〜14日間も継続して異常値を示す。
   ガイドラインではリパーゼのみの測定を勧奨している。
   両方を測定するのは費用対効果の観点から推奨しない。
   (本院では両方を測定しています。)

14) ピロリ菌の診断には血液検査でなく、便ピロリ検査か呼気試験を勧める。
    各種のガイドラインも同じように勧奨している。
    (本院ではPPIを服用している患者さんには、血液検査を行う事もあります。)

21) クレアチニン単独での意味合いは少ない。
    慢性腎疾患(CKD)にはeGFR(腎機能)の測定にクレアチニンを採用するか、尿中蛋白/クレアチ
    ニン比を用いて評価する。
    (本院ではシスタチンCを代用しています。)

25) プロカルシトニンは安易に検査をすべきでない。
    (賛否両論がありそうですが、患者の層別化が必要なようです。 ※本文参照)

27) C型肝炎ウイルス抗体検査は繰り返す必要はない。





  
私見)
 アメリカのダイナミズムには、やはり感心します。





ASCP-Choosing-Wisely-List.pdf










posted by 斎賀一 at 19:38| Comment(0) | 小児科