心機能の駆出率もUカーブ?
Routinely reported ejection fraction and mortality
in clinical practice: where does the nadir of risk lie?
in clinical practice: where does the nadir of risk lie?
心臓超音波検査における駆出率測定(EF)は心機能を知るための一般的なツールです。
55%以上が正常です。(0%は動いていない場合で、100%とは心臓が収縮したらペッタンコに
なる事です。)
EFが低下している心不全が一般的で、HFrEFといい、EFが正常なのに心不全があれば、
HFpEFと言います。
外来で簡易的に心不全を診察する場合には、このEFと下大静脈(IVCD)を測定します。
正確に計測しなくても、50%以上収縮していれば良しとしていましたが、今回、雑誌European Heart Journal からEFの低下している場合ばかりでなく、高い場合も死亡率の危険率が高くなるとのデータが
でました。
纏めますと、
1) 1998~2018年にかけて、何らかの症状で心エコー検査をした人203,135名を、平均で4年間
追跡調査し死亡率を調べました。
胸痛、呼吸困難、冠動脈疾患、弁膜症、心不全の順に心エコー検査を実施しています。
Sub-setとして、ニュージランドからも統計を取っていますが、同様の結果との事です。
但し、交絡因子(confounder)を避ける意味で補正(adjustment)は行っていないそうです。
2) 全体で23%の死亡を確認しています。
・EFが35~40%では危険率が1.73
・EFが55~60%では危険率が1.06
・EFが65~70%では危険率が1.17
・EFが70以上では危険率が1.71
詳しくは本論文のグラフを参照ください。
私見)
本論文に対する論評では、駆出率EFが高い過剰収縮の原因が明白に調べられていないとの
指摘が多くあります。
論文の評価はさて置いて、取りあえず心機能が亢進している場合もその原因を突き止める必要が
ありそうです。
心機能 ef.pdf心機能 ef.pdf