2019年08月20日

小児及ぶ青年の片頭痛に対する予防薬のガイドライン

小児及ぶ青年の片頭痛に対する予防薬のガイドライン

Practice guideline update summary:
Pharmacologic treatment for pediatric migraine prevention



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 小児における片頭痛は診断するのが大変ですが、その予防となると更に難題です。予防薬に対する
ガイドラインが出ましたが、残念ながら結論的には実地医家にとってはあまり参考になりませんでした。
以前のブログも参照ください。

取りあえず要約しますと、

 1) 一般的な頭痛を誘発する生活要因が、片頭痛ともオーバーラップする。
    例えば、カフェイン、飲酒、運動不足、睡眠不足、喫煙。
    更に鬱状態は、片頭痛と関連が指摘されている。
    特に、体重の減少が片頭痛の改善に繋がるとの論文もある。
    結局、片頭痛も普通の頭痛も注意点は同じです。

 2) β遮断薬のプロプラノロール(インデラール)は、片頭痛の頻度を50%
    減少出来る。(本院ではあまり乗り気にはなれません。)

 3) 向精神薬のトリプタノールと、精神行動療法を組み合わせれば、頻度を50%以上も
    減らすことが出来る。(青年の場合は検討か)

 4) 小児や青年では、そもそもプラシーボ効果があるために、薬剤における効果判定が難しい。
    (なんでも効果あり?)

 5) カルシウム拮抗薬は十分なエビデンスがない。

 6) 抗てんかん薬も十分なエビデンスがない。

 7) 精神的にネガティブな傾向は、片頭痛と直接は関連性がないとする研究が多いが、
    関連性を指摘する論文も散見される。(鶏と卵)



私見)
 若年者の片頭痛は、診断も予防投与も難題です。
 上記の1)を丁寧に説明していく事が大事の様です。
 ガイドラインに対してイチャモンを付ける感じで申し訳ありませんが、
 予防薬はないと言う事を教えてくれるガイドラインです。

 本論文の表と「今日の臨床サポート」からPDFしました。参照ください。



小児の片頭痛 診断と予防.pdf

pediatric migraine.pdf







posted by 斎賀一 at 21:07| Comment(1) | 小児科

2019年08月19日

ジゴキシン(強心剤)の少量継続服用が大事

ジゴキシン(強心剤)の少量継続服用が大事
 
Digoxin Discontinuation and Outcomes in Patients
With Heart Failure With Reduced Ejection Fraction



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 以前の私のブログでもジゴキシンについて報告しましたが、今回、心不全のある人(駆出率が40%以下の心不全;HFrEF)では継続服用が中断よりも有益性があるとの論文がでました。


纏めますと

1) 既に心不全(HFrEF)でジゴキシンを服用している患者さんが対象です。
   3,499名が登録されています。
   同じ集団群を対象にして、ジゴキシンを中断した群698名と、継続した群の698名を比較しています。

2) 退院の4年後を調べています。
   継続した群と比較して、中断した群の危険率は
   ・心不全による再入院が1.21
   ・全原因の再入院は1.16
   ・全死亡率は同等で1.09

   退院の30日後では
   ・全死亡率は1.8
   ・心不全による入院/全死亡率は1.36

   しかし退院後の6カ月から1年では、全死亡率も心不全による再入院も、差はありませんでした。

3) 強心剤のジゴキシンを正当に評価する前に、最近では本薬剤を不当に扱っているかもしれないと
   論評しています。






私見)
 本院でもハーフ-ジゴキシン(0.125mg/tab)を中心に処方しています。

 Uptodateによりますと
 ・最初はハーフ-ジゴキシンを半錠から開始して1錠、2錠と漸増していく。
 ・基本は血中濃度を測定して、モニタリングする。
 ・血中濃度は0.5~0.8ng/mLとしています。



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 口八丁手八丁でまくし立てる政治家より、前衆議院議長の伊吹文明氏のようにゆったりと語る政治家の方が 説得力があります。

 「老兵は死なず、いまだ少し頑張るのみ

  ...なんだか僕みたい。





ジゴキシン.pdf












posted by 斎賀一 at 21:04| Comment(1) | 循環器

2019年08月17日

緑内障とステロイド

緑内障とステロイド
 
Glaucoma
   American Family Physician Volume 93, Number 8 April 15, 2016



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 最近外来で、緑内障の患者さんからステロイドの服用について相談されました。
私なりに調べてみましたので、ブログにしてみます。
 その前に、やや古いのですが American Family Physician に総説が載っていましたので、纏めて
みます。


1) 緑内障には2つのタイプがある。
   ・急性閉塞隅角緑内障(PACG)
   ・原発開放隅角緑内障(POAG)は、便宜上眼圧が統計学的正常眼圧上限値21mmHg以上の
    原発開放隅角緑内障(狭義)と、それ以下の正常眼圧緑内障を包括した疾患概念である。
    両者共に未治療の場合は、進行性の不可逆的な視力障害となる。

2) 治療は眼圧を下げるしかない。 しかもその治療は半永久的で、生涯続ける必要がある。

3) 緑内障は年齢によって増加するが、60歳以下でも既に始まっている。
   更に緑内障の約50%は、眼圧が正常域である。 (10~21mmHg)

4) 眼圧は日内変動をする。
   明るい部屋や睡眠では瞳孔が縮小するので、症状が軽快する事がある。
   瞳孔を拡大するような薬剤は、緑内障には禁忌です。
   (下記のPDFを参照、抗ヒスタミン薬、喘息系薬剤、抗コリン薬、精神薬)
   しかし実際の臨床現場では、それ程問題になる事は生じていない。

5) 糖尿病が緑内障を悪化させるとの報告がある。
   (反対の論文もあり、やや論争中)
   夜間の血圧低下が緑内障の増悪因子
   (しかしこの点も明白な論文は少ない。)

6) 予後
   適切な治療にも関わらず、7人に1人は20年以内に失明する。

本論文の図譜がきれいなので下記に掲載します。

問題のステロイドとの関連はuptodateより抜粋し、原文を下記にPDFします。

内容は
 ・ステロイドの点眼の場合には注意が必要
 ・全身投与の場合は慢性服用では懸念されるが、急性での服用には左程心配は無い。



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私見)
 本院でも緑内障の患者さんが多く来院されます。眼科との連携が大事です。
 処方には細心の注意が求められます。
 非専門医ですが、点眼薬と点眼方法も下記に掲載します。
 尚、一部の表は「今日の臨床サポート」より借用しました。






1 論文より.pdf

2 本論文 緑内障.pdf

3 緑内障ザラカム.pdf

4 緑内障 点眼薬.pdf

5 緑内障2.pdf

6 緑内障3.pdf

7 緑内障禁忌薬.pdf

8 眼科の最新治療.pdf

9 Hypertension overtreatment may speed vision loss in glaucoma.pdf












posted by 斎賀一 at 16:18| Comment(0) | その他