2019年06月24日

5mm以下の大腸ポリープについて;その1

5mm以下の大腸ポリープについて ; その1
 
Association of small versus diminutive adenomas and
The risk for metachronous advanced adenomas:
Data from theNew Hampshire Colonoscopy Registry



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 大腸ポリープの大きさが5~9mmをsmall、4mm以下をdiminutive(微小)と、本論文では定義して
います。 (論文によっては5mm以下をdiminutiveとしています。)


論文を纏めますと

1) グループA ; 1〜2個の何れもdiminutive
   グループB ; 1〜2個のどちらかはsmall
   グループC ; 3〜10個の全てがdiminutive
   グループD ; 3〜10個の中1個でもsmall
   グループE ; 進行型ポリープつまり1cm以上のポリープ(advanced;1cm以上、絨毛状、
   高度異型性のいずれか)
   上記のグループで3年間経過観察をして、グループAと比較して新たに進行型ポリープ又は大腸がん
   が発生する危険率を調べました。(metachronous)

2) グループBの危険率は 1.54
   グループCの危険率は 1.75
   グループDの危険率は 2.14
   グループEの危険率は 2.77
   尚、5mm以上のポリープが2個あれば、進行型が発生する頻度は7.6%(11/144)でした。

3) 結論として、1個でも5mm以上のポリープがあれば、進行型のポリープの発生の危険が増します。





私見)
 逆に言えば、従来通りに4mm以下のポリープは経過観察で良いかもしれません。
 また5mm以上では十分な経過観察をして、別の部位に悪性のポリープが発生しないかを診断する
 必要がありそうです。
 (本院では、生検鉗子の大きさである程度判断しています。)






1 Association of small versus diminutive adenomas and the risk for metachronou.pdf









posted by 斎賀一 at 21:07| Comment(1) | 消化器・PPI

2019年06月22日

日本の大腸がん検診の3つの問題点

日本の大腸がん検診の3つの問題点
Medical Tribuneより



 大腸がんに対する便潜血による検診が始まっていますが、Medical Tribuneより3つの問題提起が
載っていました。


 1) 便潜血検査は偽陰性が少なくない(大腸癌なのに便検査では正常と判断してしまう)。
    その割合は12%です(中間期がんの割合)
    特に、深部大腸癌(肛門より奥の方、つまり右側結腸)では偽陰性の事がある。

 2) 便潜血陽性と判断されていても、約3割の人しかその後の精密検査を受けていない。
 
 3) 日本ではそもそも大腸がん検診を受診しない人が多い。
    受診率は40%前後である。


本院での大腸がん検診の方針としては、


 1) 原則として50歳以上の方は毎年便潜血検査を受けてください。
    検診対象者は40歳以上です。

 2) 便潜血陽性の方は、大腸ファイバー(TCF)の検査を実施します。

 3) TCFで所見のある方は、二次施設に紹介。
    TCFで正常の方は、原則としてその後、症状が無ければ3年間は便潜血検査を受けなくて
    よいです。
 
 4) 良性のポリープに関しては下記のPDFを参照して、その後のTCFを予定してください。

 5) 便潜血が陰性でも、5〜10年に1回は検診目的でTCFを受けてください。



日本の大腸がん検診に3つの問題点.pdf

大腸ファイバーの間隔.pdf







posted by 斎賀一 at 18:46| Comment(0) | 消化器・PPI

クリーンコロンを目指す;大腸ポリープ

クリーンコロンを目指す;大腸ポリープ
日経メディカルより




 大腸癌のオピニオンリーダーの田中信治氏のインタビュー記事が載っていました。


 1) 現在の日本のガイドラインは5mm以下のポリープは殆どが良性であり、原則として切除
   (ポリペクトミー)を実施しなくても経過観察で良いとされている。

 2) しかしガイドラインの改訂作業が進行中で、上記の文言が削除されるかもしれない。
    なぜなら、その後の十分な経過観察が担保されなければならないし、一度は全くポリープの
    無い状態(クリーンコロン)にしておくのが最善との考えである。

 3) コールドポリペクトミーの手技も発達してきたが、これを実施するには拡大内視鏡などの
    正確な診断が必須である。




私見)
 5mm以下の結腸ポリープも生検を実施する必要はありますが、ポリペクトミーまではしなくてもと
認識しています。
 特に、5mm以下の過形成ポリープ(旧姓のmetaplastic polyp)は、異型性が無ければ経過観察で
十分と思っています。



クリーンコロンを目指すのに欠かせないこと.pdf








posted by 斎賀一 at 18:39| Comment(0) | 消化器・PPI