2019年05月22日

ライノウイルスCは小児の繰り返す喘鳴の原因

ライノウイルスCは小児の繰り返す喘鳴の原因
 
Association of Rhinovirus C Bronchiolitis and
Immunoglobulin E Sensitization During Infancy
With Development of Recurrent Wheeze



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 3歳以下の乳幼児で喘鳴を繰り返す原因ウイルスは、ライノウイルスCが多いとの報告が日本の研究者より発表になりました。
雑誌JAMAに掲載されています。


本論文を纏めますと

1) ライノウイルスは、RSウイルスに次いで多い下気道感染症の原因ウイルスです。
   重症の細気管支炎の20~40%がライノウイルスです。

2) 2011~2014年の間で、秋から冬にかけてRSウイルスかライノウイルス(A,B,C型)に感染して
   細気管支炎を起こし入院した、1歳以下の乳児716名を登録しました。
   そして反復性の喘鳴の病歴を3歳まで調査しました。

3) 入院した716名の内、RS単独は76%、ライノA型は12%、C型が11%、B型が2%でした。
   その中で、3歳時に反復性喘鳴と診断された幼児は32%です。
   その危険率をRSウイルスと比較して調べますと
        ライノウイルスCが1.58    
        ライノウイルスAが1.27
        ライノウイルスBが1.39 
   つまり細気管支で入院する乳幼児はRSウイルスが一番多いのですが、その後に尾を引いて反復性
   喘鳴をきたす場合は、ライノウイルスCが一番危険との結果です。

4) ライノウイルスCは、喘息と関係する免疫グロブリンEの感化と深く関係していました。
   その結果、RSウイルスを1として比較しますと、食物アレルギーの危険率は3.03で、4歳での喘息
   の罹患危険率は4.06と高率です。

5) ウイルス感染と免疫機能変容のメカニズムは、今後の興味あるテーマです。



ライノウイルスに関して、少しRed Bookで纏めてみますと

1) 感冒の主たるウイルスです。
   咽頭炎、中耳炎、下気道感染(細気管支炎、肺炎)を起こす。
   最初の症状は、咽頭痛、鼻炎(最初の数日は水様性ですがやがて膿性となり2週間も続く)
   頭痛、筋肉痛、咳、喘鳴、クシャミも起こる。 高熱は稀

2) 喘息をもった幼児で喘息症状の増悪の原因の半分はライノウイルスである。

3) ライノウイルスにはA,B,Cの3種類の型と、serotypeは約100種類ある。
   1年中流行しているがそのピークは春と秋
   いろいろなserotypeが同時に流行しているが、ある地域では特定なserotypeが優位に流行し、
   それは年度により変化する。
   成人になるまでに多くのserotypeに対する抗体が獲得されてくる。

4) ウイルスの排出は2~3日が一番多いが、一般的には7~10日で休止する。
   ただし、3週間も続くこともある。

5) 潜伏期は2~3日だが時に7日までの場合もある。





 
私見)
 JAMAの論文の特徴は
 ・ライノウイルス中でも、Cが小児の繰り返す喘鳴と関係する事を証明した。
 ・ライノウイルスCが、免疫機能に影響を与えて喘息まで進展する事を証明した。

小児の喘息と感染症、特にマイコプラズマ、RSウイルス、そしてこのライノウイルスとの関係に注意したいと思います。
尚、小児喘息と喘息とは基本的には別物です。
この機会にライノウイルスを文献より纏めてみました。



◆下記の分献より抜粋 

  小児科Vol. 55   No.6 2014
  感染症 ; 日本医事新報社
  Medical Practice; vol.33 no.l2 2016
  小児科vol 57 no12 2016   新谷尚久
  小児科特集 小児と感染症 Vol.57  No.6 2016
  小児科vol. 55 no.7 2014   鈴木栄太郎
  小児呼吸器感染症 診療ガイドライン2017





Association of Rhinovirus C Bronchiolitis and Immunoglobulin E .pdf

ライノの文献.pdf



















posted by 斎賀一 at 20:31| Comment(1) | 小児科