2019年05月09日

フルニエ症候群(Fournier gangrene)とSGLT-2阻害薬?

フルニエ症候群(Fournier gangrene)とSGLT-2阻害薬?
 
Fournier Gangrene Associated With Sodium–Glucose
Cotransporter-2 Inhibitors: A Review of Spontaneous
Postmarketing Cases



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 壊疽性筋膜炎(Fournier gangrene)特に会陰部と糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬の関係に対する警告が、アメリカのFDAから出たとの報告が雑誌Annals of Internal Medicineに掲載されています。
内容はmedscapeにも載っていますので、それをまとめてみました。



1) FDAは以前、2013~2018年間で12例のFournier gangreneを報告しています。
   今回は更に55例を追加しての報告を、Annals of Internal Medicineに掲載しました。

2) 全ての患者が入院治療を必要としましたが、何れも診断に時間を要しています。
   全身症状に隠れて、会陰部疼痛が的確に診断されていないためです。
   一般症状としては、発熱、倦怠感、などの非特異的なものです。

3) SGLT-2阻害薬が発売になってからの6年間で55例が報告されているのに対して、他の糖尿病薬の
   歴史では35年間で19例の報告です。つまりFournier gangreneが、糖尿病だけが原因ならば
   35年間でもっと多くの報告があっていいはずだとしています。
   Fournier gangreneがSGLE-2阻害薬と深く関係している事を、臨床家は認識すべきだとして
   います。

4) Fournier gangreneの平均年齢は56歳、殆どが男性(39/55)で、SGLE-2阻害薬を服用して
   から発症までは、平均で9か月です。
   しかしその範囲は5日から49ヵ月と幅が広いです。
   病変は下肢にも及び、下肢切断まで至った例が2例ありました。3例が死亡転帰しています。
   初回の受診で診断が出来なかった例は6例もあったとの事です。





私見)
 極めて稀な症例報告ですが、診断に遅れる事があるようです。
 糖尿病患者さんで発熱の場合は、全身を診察する事が基本です。
 会陰部に関しては男性は私が、女性は看護師が気軽に視診する事としましょう。





Tsglt fournier-gangre.pdf

2Fournier Gangrene Alarm.pdf

3sglt.pdf

4NEJMより.pdf

5uptodateより.pdf

6SGLT2阻害薬一覧.pdf










posted by 斎賀一 at 15:11| Comment(2) | 糖尿病