2019年04月18日

さようなら、さようなら、アスピリン

さようなら、さようなら、アスピリン
 
Efficacy and safety of aspirin for primary prevention
of cardiovascular events: a meta-analysis and trial
sequential analysis of randomized controlled trials



0418.PNG

     

 雑誌ESCから抗血小板薬としてのアスピリンに関する論文が出ていましたが、同じ号(issue)の論説(editor)で解説が掲載されています。その内容がmedscapeにも載っていましたので、それをブログに
してみます。(回りくどい言い方で申し訳ありません。)


まず本論文から纏めてみますと

1) アスピリンの抗血小板薬としての評価は、時と共に進化?しています。
   特に一次予防に関しては以前から論争があります。
   (一次予防とは未だ心筋梗塞を起こしていない人の予防効果で、二次予防効果とは一旦心筋梗塞を
   発症した人が、再発をしないための予防を言います。

2) 本論文は11の研究論文からのメタ解析です。
   157,248人を対象   平均観察期間は6.6年

3) 対象者は動脈硬化性疾患 (末梢動脈疾患、冠動脈疾患、以前の心筋梗塞、脳梗塞、一過性脳虚血
   PCI、冠動脈のバイバス手術)の既往が無い人、つまり一次予防としています。
   糖尿病に特化した論文では、動脈硬化性疾患の既往が不明の場合は本研究に取り入れています。
   研究論文は、対象者が500人以上のものを採用しています。

4) アスピリンは全死亡率の減少には効果がない。 (危険率は0.98)
   しかし大出血の危険は高い。(危険率は1.33) しかも脳内出血の危険率は1.33でした。
   心血管疾患の死亡率及び脳卒中の効果も、アスピリンとプラセーボでは差がありませんでした。
   アスピリンは心筋梗塞の発症を抑制していますが、(危険率は0.82) 最近のデータではその効果も
   様々で、せいぜい5%減程度とのことです。

5) 二次予防でない限り、アスピリンの投与は再考すべきと結論付けています。
    (下記のPDFにも示しましたが、リスクの高い人でも同様の傾向です。)



次に、editorの論説を紹介しているmedscapeを纏めてみました。

1) 下記のグラフは、コレステロール治療薬(特にスタチン系)の併用がある研究では、アスピリンの
   心血管疾患の一次予防効果は目立ちませんが、スタチン系の薬剤が併用されていない傾向の
   研究ではアスピリンの一次予防効果が高くなっています。



           0418-2.PNG



  
2) HOT研究でも示されていますが、コレステロールの治療に専念すればもっと心血管疾患の予防が
   出来たかもしれない。 スタチン系の予防効果は25%減である。

3) スタチン系は副作用としての出血のリスクもなく、効果も確立されている。
   一次予防にはアスピリンにバイバイして、これからはスタチン様!





私見)
 本論文と論説、medscapeを下記のPDFに掲載します。
 それにしましても...。  役立たずだと言って、もう「バイバイ」ですか?
 これからは二次予防に活路を見い出さなくてはならない様です。

 アスピリン君!  安いし頑張って!!





Say Bye-bye to Aspirin.pdf

Efficacy and safety of aspirin.pdf

アスピリン バイバイ.pdf









posted by 斎賀一 at 15:43| Comment(0) | 循環器