2019年03月22日

利尿薬のアルダクトンAの効果の性差

利尿薬のアルダクトンAの効果の性差

 
Sex Differences in Outcomes and Responses to Spironolactone
in Heart Failure With Preserved Ejection Fraction:
A Secondary Analysis of TOPCAT Trial



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 アルダクトンA(spironolactone)はカリウム保持作用のある利尿薬です。
ループ利尿薬(ラシックス、ダイアート)は利尿効果が高いのですが低カリウム血症を起こす事があり、
アルダクトンAを併用すれば、低カリウムを防ぐため相乗効果があります。従って心不全に対する治療
としても重要です。またアルダクトンAは、難治性の高血圧症に対する裏ワザとしても有効です。
しかしこのアルダクトンAはその効果、副作用(高カリウム血症)に関して紆余曲折がありました。
雑誌NEJMからの有名な2つの文献を、下記のPDFに掲載しましたので参照ください。

今回、駆出率が保たれている女性の心不全患者では、入院率の減少が認められたとの論文が発表に
なりました。この研究は2014年のTOPCATstudyのその後の報告です。
 (元文献は下記のPDFのNEJMに掲載しました。)


纏めてみますと

1) 安定した心不全患者のHFpEFを対象
   つまり、HFpEFとは心不全症状はあるが心エコーで駆出率が45%以上ある人です。
    (HFrEFは駆出率が45%以下に低下している人)
   アルダクトンA を投与した群と、コントロール群に分けて調べています。

2) 主要転帰は  ・心血管死 ・心停止 ・心不全による入院
   二次転帰は  ・全死亡率 ・全入院率です。

3) 結果は、1,767名中882名が女性 (49.9%)
   主要転帰においては性に差は無かったが、全体的に限定的ですが全死亡率に関しては、女性で
   アルダクトンA群に効果があった。 (危険率 0.66)





私見)
 アルダクトンAは十分にモニタリングして少量を漸増する限りは有効な薬剤と認識しています。
 HFpEF患者ではその進行に対する予防薬はないといわれていましたが、今回の論文から推測しますと、
 女性に関して高血圧の合併があれば、HFpEFでアルダクトンAも選択肢と言えそうです。
 尚、糖尿病性腎症に関してアルダクトンAは適応がありますが類似のセララは投与禁止となっています。
 しかし、近々適応があるカリウム保持利尿薬が上市されるとのことです。




1 アルダクトンa.pdf

2 nejm 1 .pdf

3 nejm 2.pdf

4 本論文.pdf








posted by 斎賀一 at 21:06| Comment(0) | 循環器