2019年03月12日

伝染性紅斑は再発(再燃)する

伝染性紅斑は再発(再燃)する
          <患者さん情報> 



       最近、伝染性紅斑が再発(recrudescence)した症例がありました。
      保護者の方に訝られましたが、UPTODATE に記載がありますので信じてください。



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     伝染性紅班.pdf










 
posted by 斎賀一 at 20:02| Comment(0) | 感染症・衛生

2019年03月11日

高齢者の尿路感染症には注意

高齢者の尿路感染症には注意
 
Antibiotic management of urinary tract infection in
elderly patients in primary care and its association
with bloodstream infections and all cause mortality



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 一般的には成人の尿路感染症は、特に女性の場合発熱が無ければ、抗生剤の投与は控え気味です。
極端に言えば、女性の場合は妊娠してなければ水を飲んで治してくださいとまで言ってしまいます。

 今回の雑誌BMJからの論文では、尿路感染症で抗生剤の投与が遅れると、特に70歳以上では急激に敗血症の転帰となるとの警告です。


纏めますと

1) 若い人に比べて70歳以上の男性では、進展した尿路感染症は50倍にもなる。
   また女性の場合は、無症状の割合が若い人では5%以下なのに比べて、65歳以上では20%以上と
   診断に難渋することがある。 (症状については下記のPDFを参照) 
   しかも経験的抗生剤投与(empirical)が尿路感染症では多い傾向です。
   そのため不適切な処方も多いと指摘されていました。
   そこで、最近のガイドラインでも抗生剤の不適切な投与に対して警告が出されております。
   しかし、その一方でグラム陰性菌による尿路感染症の進展も懸念されます。

2) 英国でのコーホー研究のCPRDより、データを集積しています。
   期間は2007~2015年間
   65歳以上の成人で、少なくとも1回は尿路感染症歴のある157,264名が対象
   主要転帰は、・菌血症 ・入院 ・尿路感染症の診断後、60日以内に死亡

3) 合計312,896例 (157,264名中)
   抗生剤を処方しなかった群は7.2% (22,534例)
   処方が遅れた群(診断後7日以内に抗生剤を処方)は6.2% (19,292例)
   直ぐに処方した群は86.7% (271,070例)
   尿路感染症と診断されて、60日以内での菌血症の頻度は0.5% (1,539例)

   その内訳は
   ・抗生剤を処方しなかった群で、2.9% (647例)
   ・処方が遅れた群で、2.2%
   ・直ぐに処方した群で、0.2% でした。
  
   危険率を直ぐに処方した群との比較で見ますと
   ・処方しなかった群では8.08
   ・処方が遅れた群では、6.22 でした。

   入院率で比較しますと
   ・処方しなかった群で、27.0%
   ・処方が遅れた群で、26.8%
   ・直ぐに処方した群で、14.8% でした。

4) 結論としては
   85歳以上の男性では、特に菌血症のリスクと、診断後60日以内での死亡率が高い傾向でした。
   菌は大腸菌が最も多く検出されています。



  

私見)
 65歳以上で排尿症状が無くても、元気が無かったり疲労感などの不定症状があったら、先ず尿沈渣は
 ルーチン検査とする必要がありそうです。








尿路感染症と抗生剤.pdf

Antibiotic management of urinary tract infection in elderly patients.pdf















posted by 斎賀一 at 20:08| Comment(0) | 泌尿器・腎臓・前立腺

2019年03月08日

喘息の急性増悪で入院した場合に抗生剤は必要か?

喘息の急性増悪で入院した場合に抗生剤は必要か?
 
Association of Antibiotic Treatment With Outcomes in
Patients Hospitalized for an Asthma Exacerbation Treated
With Systemic Corticosteroids



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 多くのガイドラインは喘息の急性増悪の場合に抗生剤の投与も推奨していますが、その場合の転帰に
ついて調査した論文がJAMAに掲載されています。


纏めてみますと

1) 2015年1月~2016年12月の期間
   ステロイド治療(吸入以外の経口や経静脈投与)をしたにも関わらず、急性増悪を呈して入院した
   19,811名が対象

2) 抗生剤群は入院の最初の2日間に抗生剤を開始し、最低でも2日間は処方しています。
   コントロール群は、その期間に抗生剤を投与しない群です。

3) 両群を比較しますと
   ・抗生剤群は8,788名  (44.3%)
   ・年齢は抗生剤群の方が高齢  (48歳対45歳)
   ・心不全などの合併症は抗生剤群の方が多い。  (6.2%対5.8%)

4) 主要転帰としては
   ・入院期間 ・治療の不成功(人工呼吸器の使用、集中治療室への転送)
   ・退院30日以内の再入院 ・費用 ・下痢

5) 結論として
   入院期間は抗生剤群の方が長い。(4日対3日、29%長い)
   費用は抗生剤群の方が高い。
   下痢の副作用は抗生剤群の方が多い。
   治療不成功は同じ。
   入院の場合に、抗生剤の適切使用が今後の課題としています。





私見)
 論評にも記載されていますが、抗生剤を投与する群には高齢で基礎疾患があり、重症感も認められる
 と言うバイアスがあります。
 しかし、本院のような外来における急性増悪にも当てはめますと、入院同様抗生剤を投与する事に
 あまり利点は無いようです。
 勿論、いろいろなツールでの肺炎の合併を鑑別する必要はありそうです。





Association of Antibiotic Treatment With Outcomes in Patients Hospitalized f.pdf











posted by 斎賀一 at 21:04| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー