卵と心血管疾患との関係
Associations of Dietary Cholesterol or Egg Consumption
With Incident Cardiovascular Disease and Mortality
With Incident Cardiovascular Disease and Mortality
卵を摂取する事によりコレステロールの増加を招き、それが心血管疾患を引き起こすとの論文が雑誌
JAMAに載っていました。
原文はfreeですので下記に掲載しますが、批判的論調がmedscapeにも載っていますので、両方を
ブログにします。
原文を纏めますと
1) 1985~2016年間の住民のコーホー研究に基づいています。
2) 主要転帰は心血管疾患(冠動脈疾患、脳卒中、心不全、他の心血管疾患による死亡)及び全死亡
3) 対象は29,615名、平均年齢は51.6歳、44.9%が男性
経過観察は17.5年間
コレステロールの一日摂取量が300mg増えるごとに心血管疾患が増加して、リスクは1.17です。
全死亡率も同様にリスクが1.18でした。
一日に卵半量増えるごとに心血管疾患も6%ほど増加して、そのリスクは1.06です。
但しコレステロール消費について統計処理した後では、卵と心血管疾患の発生にはもはや著明では
ありませんでした。
4) 卵の摂取はコレステロールに25%影響を与えるのに対して、肉の摂取は42%関与する。
食事におけるコレステロール又は卵の摂取と心血管疾患は関係があるが、この事は食生活の
健全化(つまりコレステロールと卵の摂取に気を付けている)の問題とも関係してくる。
卵からコレステロールを多く摂る事は有害かもしれないが、これは高カロリー食、肥満とも関係して
きます。またこの事は卵の摂取が糖尿病のリスクとも関係している。
medscapeより纏めますと
1) 摂取した全てが血中コレステロールに反映するわけではなく、代謝や遺伝的背景が関与する。
2) 本研究は観察研究であり住民の報告なので、自ずから限界がある。
3) 卵には多くのコレステロールが含まれているが(200mg)、現在のガイドラインでは中程度の卵摂取
を勧めている。
4) 一番の問題は卵を多く摂取する人は、同時に多くの肉類も摂っている。
卵と一緒にベーコンも多く摂っているかもしれない。
卵が真犯人とは限らない。
5) 本論文の利点は、経過観察が長い事と対象者が多い事だ。
少なくともその意味で、本論文の結論に注目する価値はある。
私見)
最近、ある回転寿司で飛切り美味しいあつあつの卵焼きを食べました。
卵は心だと思います。
デターは下記のPDFのグラフをご参照ください。 やや説得力があります。
1 卵.pdf
2 Dietary Cholesterol or Egg Consumption.pdf
3 観察研究.pdf