2019年02月01日

小児の呼吸器感染症

小児の呼吸器感染症
 
Respiratory Tract Infections in Children in the Community:
Prospective Online Inception Cohort Study



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 小児における呼吸器感染症(RTI)は、頻度から重症度に関して重要な疾患の一つです。
どの程度の感冒症状で受診を勧めるか、どのような症状を認めた時に診断や治療を更に介入するかが
今までの研究論文でした。
 今回の論文は、小児における感冒を含めた呼吸器感染症の実態を調べて、そこから何を得るべきかを問うた論文です。


纏めてみますと

1) 社会経済的に多様な層から一般開業医が、3ヶ月以上15歳未満の子供10,310人の両親にアン
   ケートを送り調査しています。
   331家族のうち485人(4.7%)の子供の親が同意し、ベースラインデータの作成に同意しています。
   2016年2月から7月の間に、206人の親が259人の子供たちに、延べ346人分の報告をして
   います。

2) ・報告された197例の最初のRTIのうち、90%の子供が回復するまでに23日かかりました。
   ・プライマリケアに相談を受けた子供(9日)と相談を受けなかった子供(6日)では、相談した方が
    経過が長いとの結果です。
   ・3歳未満の子供(11日)に対して3歳以上では(7日)と、やはり年少の小児の方が経過が長いよう
    です。
   ・下部呼吸器症状(12日)を有する方が、上部呼吸器症状のみを有する場合に比べて(8日)経過が
    長いようです。
   ・197人の子供のうち16人(8.1%)が、少なくとも一度はプライマリケアの相談を受けていました。
    日本から比べてかなり低いようです。
    残念ながら重大な疾患が潜んでいる可能性もあり、8%とは氷山の一角かもしれないと忠告もして
    います。しかし逆にこの現状を踏まえて、安易に受診の閾値を下げるべきではないとも警告して
    います。
    結論的には、両親にRTIの症状が3週間続くことを知ってもらうべき、としています。
    また、一般的には12の病気のうち少なくとも1つの病気でプライマリケアを受診している現状も
    参考になるとしています。





私見)
 インフルエンザが猛威をふるっています。
 インフルエンザは自然に治る病気ですと説明しています。しかし一方で、インフルエンザ脳症も稀ながら
 心配する病態です。インフルエンザ後肺炎もあり、5日も熱が続いている場合には何で早く受診しない
 のかと、つい親御さんに叱責することもあります。
 心配性の私は、基本的には呼吸器感染症全般に合併症を警戒しています。
 早期受診を勧めている下界の実地医家にとっては、本論文のハレルヤの声にも時には耳を傾ける必要
 がありそうです。






小児呼吸器感染症 本論文より.pdf

Respiratory Tract Infections in Children.pdf



















posted by 斎賀一 at 20:35| Comment(0) | 小児科