2019年01月17日

随時尿検体のナトリウム/クレアチニン比の使用方法

随時尿検体のナトリウム/クレアチニン比の使用方法
        <業務連絡用>




 本来は24時間蓄尿により一日のナトリウム排泄量を測定する事で、疾患の鑑別や食事指導に利用する事が出来ますが、煩雑なためそれに代わる随時尿での方法をこれからは本院で汎用しますので、職員の皆さん周知してください。

 下記の文献PDFを参照して、方法と理論的側面を纏めてみました。


1) 随時尿の採尿は、起床後第二尿と夕方の2回採尿とする。
   起床後第一尿では、夜間の尿が膀胱に溜まっているため不安定になるかもしれない。
   一方夕方の尿は一番平均値に近い。しかし採尿が提出出来ない場合には、2回目は午後の適時
   でもよい。

2) 尿提出の伝票には  
     ・尿中ナトリウム濃度 ・尿中クレアチニン濃度 ・年齢 ・体重 ・身長  
   以上を掲載して提出する。

3) 2回の結果の尿中Na値と尿中CRE値の平均値を計算して、下記の計算式にインプットする。


        https://www.adpkd.jp/selfcheck/calc_salt.html


   出た結果の値は一日のナトリウム排出量となる。グラム値基準値は80~250mEq/day、
   または4~6g/day   ( ※ mEqを17で割るとグラムになる。)

4) 便や汗からもナトリウム排出があるので、上記で計算した量よりも2gほど多くナトリウムを摂取
   していると想定されている。
   減塩指導の際には、この事を念頭に置く必要がある。
   高血圧ガイドラインの2014年版では、食塩摂取目標は6gとなっている。
   WHOは5g未満を推奨
   つまりガイドライン目標値から2を引いた値が、2回随時尿で算定した場合の指導目標となる。
   (日本のガイドラインでは 6−2 の4gが尿算定の目標値)





私見)
 今後この検査により減塩指導及び低ナトリウム血症の鑑別を行う予定です。
 下記のPDFをご参照ください。





1 尿中Na.pdf

na.pdf

推定na.pdf

低Na血症の鑑別診断.pdf

尿中.pdf

尿中na3回法.pdf

本院用酸塩基.pdf

















posted by 斎賀一 at 14:06| Comment(0) | その他