大腸ファイバー検査の間隔はどの位が良いか?
Long-term Risk of Colorectal Cancer and Related Deaths
After a Colonoscopy With Normal Findings
After a Colonoscopy With Normal Findings
大腸ファイバー検査をして異常がない場合に、次回は何年後に検査をしたらよいかを聞かれる事が多いですが、概ね便検査を含めて5年後と私は答えています。
下記のPDFの雑誌NEJMの論文をアレンジしての説明です。
今回は雑誌JAMAに「後ろ向きコーホー研究」の論文が掲載されていましたので報告します。
1) カルファルニアのコーホー研究です。
スクリーニングの大腸ファイバー検査で所見がない1,251,318人を対象に(スクリーニング群)
1998~2015年に掛けて調査をしています。年齢は50~75歳です。
男性が49%です。スクリーニングを受けなかった人をコントロール群としています。
2) 調査の終了は、直腸結腸癌(CRC)の診断、死亡、対象者の研究からの離脱や研究自体の終了時期
としています。一方コントルール群の終了は便検査、S状結腸スコープ検査か大腸ファイバー検査を
するまでとしています。
3) 主要転帰はCRCの診断とCRC関連死です。
12年間での比較でスクリーニング群ではCRCが133人/100,000人/年、
CRC関連死が92人/100,000人/年でした。
コントルール群では、CRCが225人/100,000人/年で、関連死が192人/100,000人/年でした。
統計処置を行いますと、10年間ではスクリーニング群の方がCRCを46%減少、関連死は88%減少
の効果でした。
4) 結論的には、ガイドラインと同様に大腸ファイバーで正常なら、10年後の経過観察が妥当として
います。
私見)
アメリカの専売特許である費用対効果での話です。
やはり本院では、5年の経過観察が妥当として参ります。
下記に雑誌NEJMの表も再度掲載します。
論文より.pptx
cf jama 予後.pdf
nejmより.pdf