赤ワインは片頭痛の誘発因子(trigger)
Alcoholic beverages as trigger factor and the effect on alcohol
consumption behavior in patients with migraine
consumption behavior in patients with migraine
赤ワインは片頭痛の原因とされています。今回、その他のアルコール飲と比較しながら、
片頭痛の赤ワインの役割を調べた論文が掲載されています。
纏めてみますと、
1) データはアンケートを主体にして2,197名の片頭痛患者を調査しました。
(コントロールを設定しないのは、不可能に近い事と判定が困難との事です)
アルコール飲がtriggerと報告したのは35.6%です。
片頭痛患者の中で、25%は片頭痛を予測してアルコール飲を途中で止めたり、
決して飲んでいませんでした。10%の人は、アルコール飲が片頭痛を誘発すると他人から
言われたことがあり、自分では経験が無くてもアルコール飲を控えていました。
2) アルコール飲が原因の場合の中で、赤ワインが一番多く77.8%です。
しかし、間違いなく片頭痛を起こす頻度はたったの8.8%でした。
原因triggerとして、赤ワインは英国、白ワインはフランスとイタリア、ウォッカはロシアが
多く見られましたが、勿論アルコールの消費量のバイアスが掛かっています。
3) 種類に関係なく全てのアルコール飲での片頭痛発作開始時間は、1/3が3時間以内で、
90%が10時間以内です。「二日酔い」よりも早期に発作が起こる事より、triggerと
二日酔いは独立した因子で別の生理学的機序が関与しているものと推測されます。
(二日酔いは血中アルコール濃度が低下する時に起ります)
4) 誘発に関してアルコール飲にあまり一貫性が無いのは、単独の誘発因子ではなく、
その他の因子(不眠、疲労、ストレス、生理など)が変動して関与しているからと思われる。
結果は下記のPDFを参照ください。
私見)
赤ワインは原因と言うよりは、単なる一つの誘発因子(trigger)で複合的な因子が変動しながら
関与しているものと思われます。
この私は片頭痛持ちで、アルコールに関して下戸です。その割には赤ワインが好きで、小瓶に分けて
一日少しだけ嗜んでいます。ご参考まで。
赤ワイン.pdf
赤ワイン片頭痛 .pdf