心房細動におけるCHA2DS2-VAScスコアーの評価
Effect of Variation in Published Stroke Rates on the Net
Clinical Benefit of Anticoagulation for Atrial Fibrillation
Clinical Benefit of Anticoagulation for Atrial Fibrillation
心房細動の合併症で一番心配なのは脳梗塞ですが、その予防のために抗凝固薬(ワーファリン、DOAC)を服用します。服用する基準としては、危険因子の評価としてCHA2DS2-VAScスコアーが今
では一般的ですが、住民の母集団(population)によりその適応の価値が異なるとのデータがでました。
欧米ではスコアーが2以上で抗凝固薬が適応となり、スコアー:0では服用の適応なしとしています。
問題はスコアー:1の場合ですが、これに関しては論争があります。
今回の論文ではスコアーが2の時で未治療の場合、年間でどの程度脳梗塞が発生するかを調べました。
ATRIA研究では0.8/100/年、SPORTIF研究及びSwedishコーホー研究では2.2/100/年、Danishコーホー研究では3.7/100/年でした。
上記により解析しますと、抗凝固薬の適応はpopulationにより0,1,2と異なる結果となりました。
私見)
j-watch-cardiologyのコメントによりますと、「本研究の主たる薬剤はワーファリンであった。
しかし現在ではDOACの方が効果も副作用に関しても有用だ。また本研究は、リスクの低い〜高いpopulationの差が出た結果である。 結論的には、服用に際してスコアー1〜2が特に重要である。」
本院でも従来通りにスコアー2で服用の適応とし、1では患者さんとのコンセンサスが必要なようです。
詳細は下記のブログを参照ください。
「葦の髄から循環器の世界をのぞく」
http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/77428865.html
af chad.pdf
心房細動の抗凝固療法の適応を決めるとき.pdf