2019年01月04日

心房細動におけるCHA2DS2-VAScスコアーの評価

心房細動におけるCHA2DS2-VAScスコアーの評価
 
Effect of Variation in Published Stroke Rates on the Net
Clinical Benefit of Anticoagulation for Atrial Fibrillation



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 心房細動の合併症で一番心配なのは脳梗塞ですが、その予防のために抗凝固薬(ワーファリン、DOAC)を服用します。服用する基準としては、危険因子の評価としてCHA2DS2-VAScスコアーが今
では一般的ですが、住民の母集団(population)によりその適応の価値が異なるとのデータがでました。
 欧米ではスコアーが2以上で抗凝固薬が適応となり、スコアー:0では服用の適応なしとしています。
問題はスコアー:1の場合ですが、これに関しては論争があります。

今回の論文ではスコアーが2の時で未治療の場合、年間でどの程度脳梗塞が発生するかを調べました。
ATRIA研究では0.8/100/年、SPORTIF研究及びSwedishコーホー研究では2.2/100/年、Danishコーホー研究では3.7/100/年でした。
上記により解析しますと、抗凝固薬の適応はpopulationにより0,1,2と異なる結果となりました。





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私見)
 j-watch-cardiologyのコメントによりますと、「本研究の主たる薬剤はワーファリンであった。
しかし現在ではDOACの方が効果も副作用に関しても有用だ。また本研究は、リスクの低い〜高いpopulationの差が出た結果である。 結論的には、服用に際してスコアー1〜2が特に重要である。」

 本院でも従来通りにスコアー2で服用の適応とし、1では患者さんとのコンセンサスが必要なようです。


詳細は下記のブログを参照ください。


  「葦の髄から循環器の世界をのぞく」

  http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/77428865.html





af chad.pdf

心房細動の抗凝固療法の適応を決めるとき.pdf










posted by 斎賀一 at 20:30| Comment(0) | 循環器