2018年12月17日

DOAC(抗凝固薬)はポリペクトミーの際に安全?

DOAC(抗凝固薬)はポリペクトミーの際に安全?
 
Patients Prescribed Direct-acting Oral Anticoagulants
Have Low Risk of Post-Polypectomy Complications



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 大腸ファイバーによるポリープの切除(ポリペクトミー)は、低侵襲性で安全性が確立した治療です。
それでもポリペクトミーによる穿孔は0.93%で、出血は0.1~10%と報告されています。
抗凝固薬のDOACは、ワーファリンに比べて心血管疾患の発生を19%減少させ、消化管出血のリスクも25%まで減らせると言われています。
 今回DOACを服用していてもポリペクトミー後の出血の危険性は増加しないとの論文が、カリフォルニアから出版されました。


纏めますと

1) 2011~2015年に掛けてポリペクトミー又は粘膜切除術(EMR)を実施して、抗凝固薬を服用して
   いる患者11,504名(1590 DOAC、3471 ワーファリン、6443 プラビックス)と抗凝固薬を服用
   していないコントロール群599,983名を検討しました。
   ポリペクトミー後、30日間での消化管出血、心血管疾患、心筋梗塞、入院 を比較しています。

2) 稀でしたが、抗凝固薬を服用している群が明らかに、コントロール群に比して合併症は多く認められ
   ました。(注意点はバイアスとして抗凝固薬を服用する人の方が、合併症のリスクは当然多いと思い
   ますし、本論文ではプラビックスを抗凝固薬として扱っています。)
   尚、少量アスピリンや鎮痛解熱剤(NSAIDs)の服用に関しては調べていません。また、現在服用
   とはポリペクトミー前90日のデターを集め、施行時にも服用している事を確認しています。

3) 消化管出血の頻度はDOACで0.63%、コントロール群で0.2%でした。
   (DOACの区別はしていません。少数の事例ですが、3倍のリスクとも言えます。)

4) 論者は、DOACはワーファリンやプラビックスに比べて安全であると述べています。
   但し事前のリスク評価が大事だとしています。つまりCHADSスコアー、CCI(患者の合併症などの
   評価)、EMRの適否などです。
   結果は下記のPDFのグラグをご参照ください。





私見)
 本論文の結論として、DOACはワーファリンやプラビックスと比較すると安全との事ですが、当たり前
 ですがコントロール群と比較するとややリスクが増加します。
 職員にアルゴリズムを作成して貰い以前にブログしましたが、職員と相談して若干の修正(例えば
 DOACは当日服用中止して、注意深く生検するのならOKとか)を試みたいと思っています。
 以前のアルゴリズムを下記に掲載します。



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DOACとポリぺく.pdf

doac polypectomy 雑誌.pdf

本院の内視鏡と抗血栓薬.pdf














posted by 斎賀一 at 21:40| Comment(0) | 消化器・PPI