2018年12月04日

小児の感染性胃腸炎にラクトバチルスGGは有効か?

小児の感染性胃腸炎にラクトバチルスGGは有効か?
 
Lactobacillus rhamnosus GG versus Placebo for Acute Gastroenteritis in Children
n engl j med 379;21 nejm.org November 22, 2018



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 ウイルス性の感染性胃腸炎が流行っています。
ノロ、ロタ、アデノなどが代表的です。細菌性大腸炎も鑑別が必要で、本院でも積極的に便の検査を
行っています。治療としては乳幼児も大人も水分補給(補水)が主体となりますが、以前よりラクト
バチルスGG(たかなしヨーグルト等)を勧めていました。
 今回雑誌NEJMより、そのラクトバチルスGGが無効との報告がなされ、私としましてはガッカリして
おります。


纏めますと

1) 救急外来を受診した生後 3ヶ月齢〜4歳の急性胃腸炎の小児を対象に、ラクトバチルスGGを
   1日2回 5日間摂取した群と、プラセボを投与した群とで比較しています。
   全体の971名をラクトバチルスGG群の483名と、コントロール群488名に振り分けています。
   原因となる病原は下記のPDFをご参照ください。

2) 主要転帰は、登録後14日以内の修正 Vesikari スケール(下記のPDFを参照)の総スコア(0〜20
   点で、スコアが高いほど重症であることを示す。)が9点以上の疾患エピソードと定義される中等症
   〜重症の胃腸炎としています。
   2次転帰は下痢と嘔吐の持続時間と頻度、デイケア欠席の期間、家庭内伝播率(それまで無症候で
   あった家庭内接触者における胃腸炎の発症と定義)などとしています。

3) 急性胃腸炎の就学前児のうち、ラクトバチルスGG 5日間コースを受けた児では、プラセボ投与を
   受けた児と比較して良好な転帰は得られなかった。
    (以上の一部は日本版をコピペ)

4) 以前の研究では、プロバイオテックスは免疫機能を含めた多機序により、感染性胃腸炎に有効と
   されていました。しかしそれらは研究規模としては小さく、またランダマイズされておらず転帰も
   不明確でした。
   それでも有効との情報で、アメリカでも感染性胃腸炎に対するプロバイオテックスの使用は増加傾向
   との事です。

5) 考察としては
   ・プロバイオテックスの反応は個人差があり、元来ある腸内細菌との相互作用が問題で、遺伝的
    背景も影響される。
   ・以前の研究と比較して、本研究の対象はロタウイルス感染者が少ない。
    この事はロタワクチン時代の到来のためとも思われる。






私見 : 院長の負け惜しみ・・・)
 結果は下記のPDFをご参照ください。
 ロタ、ノロなどには従来通り、ラクトバチルスGGがやや有効なのではないでしょうか?




ラクトバチルスGG.pdf












 

posted by 斎賀一 at 21:22| Comment(0) | 小児科