2018年11月17日

高尿酸血症および痛風の治療戦略

高尿酸血症および痛風の治療戦略

業務連絡用、斎賀医院における独断版




 戦略とは独断と認識しています。誰が反対しても、現時点ではそう判断して戦わなくてはいけない
と言う意味です。しかし、自分が不利になった戦況では、手のひら返しで方向転換をする必要、又は
覚悟が必要です。



 痛風に関して本院での戦略をブログしますが、マル秘事項であることを職員の皆さん認識してください。



 1) 痛風は尿酸が血液の中で多くなるために発症するのでなく、何らかの機転で尿酸が関節に沈着
    (析出)し、それを排除しようと白血球が出てきて炎症が起るため発赤、疼痛が出現する。
    やがて白血球が尿酸を食べつくせば、自然に痛風発作は治る。又、白血球が出てこなければ
    発作も起きない。
 
 2) 痛風発作と鑑別を要するのは化膿性関節炎
    痛風発作時には尿酸値が低下している事もあり、血液検査では鑑別診断はできない事がある。

 3) 痛風発作時に尿酸降下薬を服用すると尿酸値の高低を招き、却って尿酸が関節に析出して
    発作の増悪に繋がる。よって尿酸降下薬の服用は発作が消褪して、一定の期間が必要
    (一般的には2週間後。) しかし、服用しようとすると発作を繰り返すことがあり、
    尿酸降下薬を開始するタイミングが逸する事も多く、本院では服用薬の漸増に注意して、
    ある程度早めの開始を心掛けている。
    但し、継続服用時に発作が出現した場合は中断する必要はない。

 4) 腎障害が無ければ、発作時の疼痛に対して鎮痛解熱薬(NSAIDs)を通常の倍量を処方する。
    副作用も心配で、不要な服用を避ける意味で患者さんより一日おきに連絡してもらい、
    服用の漸減か中止の指示を電話で行う。
    疼痛が強い時又は、腎障害がある時は最初よりステロイド薬(プレドニン)を併用する。
 
 5) 一定期間を経過したら、尿酸降下薬を処方する。
    本来は肝臓での尿酸産生抑制薬と、腎での尿酸排出促進薬の適応に関して検査が必要だが、
    本院では主に産生抑制薬を主体に処方している。
    処方する際には漸増が基本
   
    本院での尿酸降下薬は、
    
     ・尿酸産生抑制薬として、フェブリック 、ザイロリック 、ウリアデック、トピロリック
     ・尿酸排泄促進薬として、ユリノーム
      この際に尿酸結石の予防のために、ウラリットを併用処方する。
     ・血圧降下薬で、尿酸を低下させる作用も有するものとして、ニューロタン


 6) 痛風発作時での処方
     
     ・NSAIDs(鎮痛薬)として、二フランの倍量、ロキソニンの倍量
     ・経口ステロイドとして、プレドニン(5mg)錠
     ・白血球遊走の抑制として、コルヒチン少量を継続服用


 7) 生活指導
  
     ・管理栄養士と伴に生活習慣の改善を行う
     ・適度な運動は必要だが、過剰な負荷は痛風発作を誘発
     ・十分な水分摂取
     ・尿酸値の低下により薬剤の漸減も可能であるが、基本的に継続服用を指導




私見の私見)
 前のブログでも記載しましたが、看護師の皆さん、上記の内容を分かりやすく患者さんに説明し、
薬剤のアドヘアランスを高めてください。又、小雑誌も参照して、高尿酸血症が全身疾患である事も
指導してください。





posted by 斎賀一 at 16:30| Comment(0) | 整形外科・痛風・高尿酸血症

2018年11月15日

今季のインフルエンザ治療薬・日本小児科学会より

今季のインフルエンザ治療薬・日本小児科学会より
        <ツイッター版>




 日経メディカルより、今季の小児での治療薬についてガイドラインが出たとの報道です。


1) 以前はタミフルが、10代では使用を控えるようにと警告されていましたが、今季はこれが削除され
   使用できるようになりました。
   しかし、インフルエンザ自体が異常行動を起こしやすく、特に日本ではその頻度が他国より多い傾向
   にあるため、全てのインフルエンザ治療薬に関して注意するように、と添付文書に記載されています。

2) 新薬のゾフルーザに関しては十分なエヴィデンスが無いとして、日本小児科学会は現時点では検討
   中としています。





私見)
 本院では今季もタミフルを中心とした治療になると思いますが、ゾフルーザも有力な治療薬として捉えて
 います。






10代のインフ治療.pdf









posted by 斎賀一 at 15:10| Comment(1) | インフルエンザ

2018年11月14日

プラビックス継続服用は大腸ファイバーのポリープ切除の際に可能?

プラビックス継続服用は大腸ファイバーのポリープ切除の際に可能?
 
Risk of Post-polypectomy Bleeding With
Uninterrupted Clopidogrel Therapy in an Industry-
independent, Doubleblind,Randomized Trial



1114.PNG



 ガイドラインでは、大腸ファイバーにおけるポリープ切除の際に、抗血小板薬のプラビックスは施術の
7日前に服用を中止するようになっています。しかし中断する事によるデメリットとして、早期の血栓症の
報告があります。
本院の看護師が作成したガイドラインには、プラビックスは中断するか生検を実施しないように取り決めてくれています。
 今回の論文によりますと、プラビックスを当日まで継続服用してもその後の出血の頻度は増加していま
せんでした。


纏めますと

1) 心血管疾患のため、抗血小板薬のプラビックスを服用している患者で大腸ファイバーを施行した
   387名を登録しました。
   2012~2018年間で香港での研究です。
   大腸ファイバーを行う7日前にプラビックスを中断し、その後プラビックスを継続服用する群と
   プラセーボを服用する群(つまり中断した群)に振り分けました。
   ポリープ切除をしたのは216例です。プラビックス群は106名、プラセーボ群は110名でした。

2) ポリープ切除後、1か月間の入院や再処置が必要となった出血例の累積を調べました。  
   プラビックス群では3.8%でプラセーボ群では3.6%と、その差は殆どありませんでした。





私見)
 本院では以前同様に胃カメラも大腸ファイバーも、余程でない限りは生検の実施は慎重に判断したいと思います。





Risk of Post-polypectomy Bleeding With Uninterrupted Clopidogrel Therapy in .pdf























posted by 斎賀一 at 19:14| Comment(0) | 消化器・PPI