2018年10月04日

ステント後の心房細動と冠動脈疾患に抗凝固薬の単独で良いか ?

ステント後の心房細動と冠動脈疾患に抗凝固薬の単独で良いか?
 
An Open-Label Randomized Trial Comparing Oral Anticoagulation
with and without Single Antiplatelet Therapy in Patients
with Atrial Fibrillation and Stable Coronary Artery Disease
Beyond One Year after Coronary Stent Implantation:
The OAC-ALONE Study



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 心房細動と冠動脈疾患でステント治療をした場合に、抗凝固薬と抗血小板薬を1年間は併用するのが
一般的ですが、さてその後に抗血小板薬を中止しても悪影響は無いのかを調べた研究が、日本より発表になりました。
つまり抗凝固薬(ワーファリンかDOAC)単独が抗凝固薬+抗血小板薬(プラビックス)と比較して非劣性であること(同等であること)を証明できれば、即座に抗血小板薬を中断出来るとの想定で研究が行われました。



纏めますと

1) 690人の心房細動と、ステント治療をして1年間は安定していて、尚且つ冠動脈疾患を併発している
   人を登録しています。
   平均年齢は75歳、CHA2DS2-VAScスコアーは4.6です。
   抗凝固薬のみの単独群が344名、抗凝固薬と抗血小板薬の併用群が345名に振り分けています。
   抗凝固薬はワーファリンが75.2%で、DOACが24.8%です。

2) 主要転帰は・心筋梗塞 ・死亡例 ・全身性の血栓症 ・脳梗塞
   2次転帰は出血例です。

3) 主要転帰は単独群で15.7%、併用群で13.6%と非劣性を証明出来ませんでした。  
    (つまり併用群の方が優勢で、単独群の危険率は1.16)
   個別で見ますと、脳梗塞では単独群で3.8%、併用群で5.5%ですが
   心筋梗塞では単独群で2.3%、併用群で1.2%です。
   脳梗塞では単独で良いようですが、肝心の心筋梗塞では併用の方が優位です。

4) 2次転帰の出血は単独群で7.8%に対して、併用群では10.4%と単独群の方が優位です。

5) 考察として、単独群が非劣性を証明できなかったのは、登録に延々と時間が掛かってしまった。
   そのため、統計学的に十分な結論を導けない結果となった。
   やはり臨床家が抗血小板薬を中止するのをためらう傾向が認められた。





私見)
 出血の危険を充分に認識しつつも、抗血小板薬をどのタイミングで中止するかを躊躇するのは、実地
 医家では当然でしょうか?




Oral Anticoagulation.pdf










posted by 斎賀一 at 13:20| Comment(0) | 循環器