2018年10月13日

感染症の季節を迎えての手指消毒方法について

感染症の季節を迎えての手指消毒方法について
 
Effectiveness of a Hand Hygiene Program at Child Care Centers



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 雑誌PEDIATRICSに、手の消毒の効果についての論文がスペインから発表になり掲載されています。
インフルエンザのシーズンを迎えるにあたり、再考してみました。
本論文の主たる疾患は呼吸器感染症です。


纏めてみますと

1) 0~3歳の小児を対象に、2013年11月から2014年6月までにday care centerを訪れた911名を
   登録して、8か月間追跡調査しました。
   登録の1ケ月前から手指の消毒方法を指導しています。
   ソープを主体としたソープ群(274名)と、アルコールを基本とした消毒群(339名)、コントロール
   群(298名)に振り分けました。消毒薬に対する抵抗感から、消毒群の離脱が一番多いようです。
   クラスを0~1、1~2、3歳にグループ分けしています。
   その間、延べで5,211例の呼吸器感染症が発生しています。

2) 其々の群での危険率を比較して見ますと
   コントロール群と比較して消毒群では、呼吸器感染症の危険率が0.77で、抗生剤投与の率は0.69
   でした。
   消毒群と比較してソープ群では、呼吸器感染症の危険率は1.21で、抗生剤の投与率は1.31
   でした。

3) 結果は下記のPDFに表したグラフをご参照ください。
   消毒群が一番効果的で、ソープ群はそれ程の効果が無いようです。

  ・Uptodateを参照しますと
   消毒用アルコールを基盤とした消毒が、ソープよりもやはり有効との事です。
   即効性があり、細菌及びインフルエンザなどのウイルスにも、chlorhexidine と同等の効果
   との事です。
   但しノロ、ロタ、C-difficileなどのハッキリしている場合はアルコールが無効なので、手指の
   ソープ消毒を勧めています。





私見)
 アルコール消毒でないと効果が無いようでガッカリしましたが、この時期に毎日手指をアルコール消毒
 しますと、ガサガサの手になってしまいます。 何か良い方法は無いものでしょうか。
 Youtubeから動画を調べました。またuptodateや文献も掲載します。
 参考にして職員の皆さん、本院での指導方法を模索しましょう。





https://www.youtube.com/watch?v=gwDwOYve8AA

https://www.youtube.com/watch?v=r9-rih-iL_8



手洗い 本論文等.pdf

1 Hand Hygiene.pdf

2 who_guidelines-handhygiene_summary.pdf

3 POSTER151_1332.pdf














posted by 斎賀一 at 15:32| Comment(0) | インフルエンザ

2018年10月11日

高用量のバイアグラは網膜の障害

高用量のバイアグラは網膜の障害
 
SILDENAFIL CITRATE INDUCED RETINAL TOXICITY



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 一般的には、バイアグラは25mg錠と50mg錠が医家で処方されます。
残念な事に本院では処方を希望される方は殆どありません。海外では液状のバイアグラも販売されているようです。
 今回海外から、バイアグラの過剰服用による不可逆的な網膜障害が報告されました。海外での液状のバイアグラは、専用の計量器のピペットを用いて服用するようです。
症例は、31歳の男性で液状のバイアグラを服用していましたが、正確に計量せずに実際は50mg以上を服用していました。 (30歳代でバイアグラを大量に服用するとは、悲しい人です。)
網膜はそもそもダメージを受けやすい組織で、本患者は視野が薄赤くみえて更に黒点も出現しました。
バイアグラの網膜障害は、一般的には比較的短時間で回復しますが、本患者においては色々な治療にも関わらず、回復はしませんでした。
実地医家も、バイアグラによる網膜障害を使用者に説明する必要があるとしています。




私見)
 肝障害の患者さんに飲酒の有無を問診するのとは訳が違い、視力の異常を訴える方にバイアグラの
 服用を尋ねるのは、やや抵抗感があります。
 本ブログを閲覧してもらうのを期待します。
  (横浜時代の村田は好きでした。頑張っていたのに引退とは淋しいです。
   引退する時期を見誤らないようにしましょう。)




バイアグラ論文.pdf











posted by 斎賀一 at 13:14| Comment(2) | その他

2018年10月10日

若い女性の水分補給が膀胱炎の再発予防

若い女性の水分補給が膀胱炎の再発予防
 
Effect of Increased Daily Water Intake in Premenopausal
Women With Recurrent Urinary Tract Infections



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 若い女性(閉経前)の場合は十分な水分の補給により、繰り返す膀胱炎の再発予防に繋がるとの研究が、雑誌JAMAに掲載されました。


纏めますと

1) 対象は、閉経前の女性140名です。
   現在は症状が無いが、前年に少なくとも3回以上の膀胱炎を発症し、一日に水分を1.5L以下しか
   摂取していない人を登録しました。

2) 一日に水分を1.5L以上摂取した群(水分群)と、従来通りの摂取量の群(コントロール群)に振り
   分けました。 一年間の経過観察です。

3) 膀胱炎の発症は水分群で1.7、コントロール群で3.2でした。
   膀胱炎に対する抗生剤の使用頻度は水分群で1.9、コントロール群で3.6でした。
   結果的に水分群では、膀胱炎が50%減少しています。

4) 副作用としては頭痛12例、消化器症状が8例ありましたが、両群での差はありませんでした。

5) 患者さんの教育も大事と論者は記載しています。
   ・抗生剤の服用は耐性菌の誘発に繋がり、結局は膀胱炎の難治化となってしまう点
   ・性行為が膀胱炎のリスクとなるとの認識で、水分補給を十分にして、行為後は速やかに排尿する。

6) 抗生剤の予防投与の効果は85~95%まであるが、水分補給は、安価で且つ耐性菌の発生の問題も
   無く、安全であると結論付けています。





私見)
 自慢する程の事ではないのですが、私はこの年になるまで膀胱炎になったことがありません。
 水分補給が1.5L/日とは多いような感じもするかもしれませんが「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」
 十分な水分補給をして、1日に排尿回数8回を目安にしましょう。
  尚、個人的見解ですが、閉経前後や男女に関係なく、多くの水分摂取は膀胱炎の予防になるものと
 実感しています。





本論文より.pdf

JAMA文献.pdf











posted by 斎賀一 at 19:35| Comment(1) | 泌尿器・腎臓・前立腺