2018年10月17日

本院における甲状腺機能検査のアルゴリズム

本院における甲状腺機能検査のアルゴリズム
          <業務連絡用>



 先日、妊娠中における甲状腺機能低下の検査についてブログしましたが、検査項目が煩雑で分かりにくかったようです。本院で勉強会を開催するに当たり、看護師がアルゴリズムを作成してくれました。
無償の奉仕に本当にありがとう。
 職員の皆さん、下記のPDFを参照して勉強してください。






甲状腺機能検査.pdf

妊娠中の甲状腺機能低下の治療.pdf








posted by 斎賀一 at 18:32| Comment(2) | 甲状腺・副甲状腺

2018年10月16日

焼き菓子や加熱ミルクを用いてのミルクアレルギーの治療

焼き菓子や加熱ミルクを用いてのミルクアレルギーの治療
 
A Structured Gradual Exposure Protocol to Baked
and Heated Milk in the Treatment of Milk Allergy
 THE J OF Pedriatics; September 27, 2018



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 ミルクアレルギーは自然治癒(out-grow)するものと認識されていますが、最近の研究では5歳までに治るのは、たかだか50%との報告です。
しかも5歳以下の小児では、アナフィラキシーも懸念されています。
 一方で、ミルクアレルギー患児の70%は、焼き菓子や加熱したミルクをアレルギー反応なく徐々に食べられるとも言われています。但し稀ではありますが、加熱した焼き菓子や加熱したミルクを食してアナフィラキシーを起こす人は、その後の自然治癒は厳しいものと推測されています。

 今回雑誌THE Journal of PEDIATRICSより、段階的に焼き菓子や加熱したミルク(EHBM)を与える事により、ミルクアレルギー(CMA)の耐性を獲得させる方法(SGEP)が掲載されています。



纏めますと

1) 目標は、加熱していない生の牛乳を250ml飲む事と定義しています。
   CMAの診断はスクラッチテスト(プリックテスト)かIgEによります。
   EHBMでアナフィラキシーを起こした小児は除外しています。

2) 1~4歳のCMAが対象です。
   43名が段階的なEHBMとして(平均年齢は17ケ月)コントロール群(厳格なミルク除去)が
   67名です。平均で年齢70ケ月まで経過観察をしています。

3) 段階的耐性方法のSGEPは4段階行います。
   チャレンジテストとして医療機関で行い、特にアレルギー反応が無ければ同じ方法を3ケ月間
   家庭で継続します。

   ・ステップ1 加熱したミルクを1gr含有するクッキーを毎日食べる。
          つまり合計で7gr/週摂取する事になる。
   ・ステップ2 加熱したミルクを1gr含有したパンケーキを毎日摂取
   ・ステップ3 加熱したチーズ蛋白を4gr含有したトーストかピザを毎日摂取
   ・ステップ4 加熱しないチーズ蛋白を4gr含有したヨーグルトを毎日摂取

   ステップ4以降3か月が経過したら、生の牛乳を250cc摂取する。
   もしもアレルギー反応が出現したら、前のステップに戻り3ケ月間試みる。
    (詳しくは下記のPDFを参照)
   以上合計で最短で12~18ケ月で終了を目指す。

4) 副反応としては、16名(37%)が軽度のアレルギー反応を起こしました。
    (一例が入院を必要としています。)
   アレルギー反応が認められた場合は、含有するミルクを半量にして再開します。
   5名が親の希望でSGEPから離脱しています。しかし全員がそれなりの耐性を獲得しています。
   運動誘発はありませんでした。

5) 結果としては、SGEP としてアレルギーの解除に要した時間は36ケ月でした。
   一方コントロール群では98ケ月でした。
   70%が完全解除に至り、IgEも減少していました。しかし30%はある段階での耐性が獲得され
   ましたが、最後まで生の牛乳は摂取できませんでした。

6) 後方解析ですので自ずと限界がありますが、ピーナッツアレルギーでも証明されているように、
   早期の介入が奏功しそうである。






私見)
 本院で行っているミルクアレルギーに対するチャレンジテストとの整合性を文献的に考察して、後日
 ブログします。SGEPを修正して、安全性を確立してから実施する必要がありそうです。
 職員の皆さん知恵をしぼりましょう。






ミルクアレルギー.pdf












posted by 斎賀一 at 20:27| Comment(0) | 小児科

2018年10月15日

インフルエンザの新薬ゾフルーザはリスク患者にも有効

インフルエンザの新薬ゾフルーザはリスク患者にも有効
 
Phase 3 Trial of Baloxavir Marboxil
in High Risk Influenza Patients
(CAPSTONE-2Study)
   


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 米国感染症学会ID WEEK 2018で、インフの新薬ゾフルーザに関する報告がありました。
以前にブログで紹介した健康な成人を対象にしたNEJMの論文より発展して、リスクのある人を対象にしています。CDCの基準で1つ以上リスクのある人です。 (下記のPDFを参照)



纏めますと

1) 主要転帰は、インフルエンザの症状の改善に要した時間です。
   特にインフルエンザのリスクとしては 
   ・65歳以上の高齢者 ・喘息 ・慢性肺疾患 ・糖尿病 ・心疾患 等がほとんどでした。

2) 検査でインフルエンザの確診がついた1,163名です。
   対象は12歳以上、発熱を含めたインフルエンザの症状が48時間以内、CDCのリスク基準が
   1つ以上ある人としています。
   ゾフルーザを1日服用の群(BXM群)、タミフルを5日間服用群(Os群)、プラセーボ群(Pl群)
   の3群を1対1対1に振り分けています。

3) H3N2が47.9%、H1N1が6.3%、B型が41.6%です。
   リスクファクターをみますと、喘息又は慢性肺疾患(39.2%)、65歳以上の高齢者(27.4%)
   でした。

4) インフルエンザ症状の回復は、BXM群で73.2時間、Os群で81.0時間、Pl群で102.3時間でした。
   つまりゾフルーザで3日以内、タミフルで4日以内、何もしなくて5日で治るとの事でしょうか。
   ウイルスの排出は、ゾフルーザで48時間、タミフルで96時間、プラセーボで96時間との事です。
   感染伝播は、ゾフルーザで半減出来そうです。





私見)
 Medscapeの論評によりますと、「ゾフルーザは若干の利点があり、タミフルよりもやや有効。しかし世界が変わるほどの事ではなく、多分タミフルに取って代わるかもしれないが問題はコストである。基礎疾患が懸念され、コストを心配しなくても良い人はゾフルーザを選択したほうが良いかもしれないが、コストが問題となりそうだ。」

 本院でも発症48時間以内で危険因子が1つでもあれば、ゾフルーザでしょうか?
下記にコストの比較を掲載します。





1 ゾフルーザの薬価.pdf

2 ゾフルーザ 論文.pdf

3 highrisk cdc.pdf











  
posted by 斎賀一 at 19:10| Comment(0) | インフルエンザ