2018年10月19日

インフルエンザ・ワクチンの妊婦に対する効果

インフルエンザ・ワクチンの妊婦に対する効果
 
Influenza Vaccine Effectiveness in Preventing
Influenza associated Hospitalizations During Pregnancy



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 妊婦がインフルエンザに罹患すると合併症の頻度が多いとされており、妊娠時でのインフルエンザ・
ワクチン接種が勧奨されています。
 今回IDSAから、ワクチンにより妊婦の肺炎に伴う入院率が約40%減少するとの報告がありました。
カナダ、オーストラリア、イスラエル、アメリカからのデータです。


纏めてみますと

1) 2010~2016年の18~50歳の妊婦で、急性呼吸器疾患又は発熱疾患(ARFI)で入院した人を対象
   にしています。インフルエンザは全てPCR法で診断しています。

2) ARFIは19,450名いましたが、妊婦がインフのPCR法で検査を受けたのはたったの1,030名(6%)
   だけでした。その中の598/1030 (58%)がインフルエンザが陽性でした。
   このPCR法で確定診断した人を対象に更に検討しますと、インフルエンザの診断陽性者の13%が
   ワクチンを接種していました。
   一方、ワクチンを接種してもインフルエンザ以外のARFIになる確率は22%です。
   (ワクチンを接種したにも関わらずインフに罹患した率は13%で、ワクチンを接種してもインフ
   以外のARFIになる確率は22%なので、インフルエンザ・ワクチン接種者の入院率の減少は
   (22−13)÷22=0.40となり、40%の減少効果となります。表の抜粋を下記のPDFで掲載します。)





私見)
 インフルエンザ・ワクチンは妊娠期間の何時でも(any time)接種する事を勧められています。
 重症での入院も半減出来そうです。






表を抜粋しました。Full textを.pdf

本論文 インフ ワクチン 妊娠 .pdf










  
posted by 斎賀一 at 21:10| Comment(0) | インフルエンザ

2018年10月17日

本院における甲状腺機能検査のアルゴリズム

本院における甲状腺機能検査のアルゴリズム
          <業務連絡用>



 先日、妊娠中における甲状腺機能低下の検査についてブログしましたが、検査項目が煩雑で分かりにくかったようです。本院で勉強会を開催するに当たり、看護師がアルゴリズムを作成してくれました。
無償の奉仕に本当にありがとう。
 職員の皆さん、下記のPDFを参照して勉強してください。






甲状腺機能検査.pdf

妊娠中の甲状腺機能低下の治療.pdf








posted by 斎賀一 at 18:32| Comment(0) | 甲状腺

2018年10月16日

焼き菓子や加熱ミルクを用いてのミルクアレルギーの治療

焼き菓子や加熱ミルクを用いてのミルクアレルギーの治療
 
A Structured Gradual Exposure Protocol to Baked
and Heated Milk in the Treatment of Milk Allergy
 THE J OF Pedriatics; September 27, 2018



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 ミルクアレルギーは自然治癒(out-grow)するものと認識されていますが、最近の研究では5歳までに治るのは、たかだか50%との報告です。
しかも5歳以下の小児では、アナフィラキシーも懸念されています。
 一方で、ミルクアレルギー患児の70%は、焼き菓子や加熱したミルクをアレルギー反応なく徐々に食べられるとも言われています。但し稀ではありますが、加熱した焼き菓子や加熱したミルクを食してアナフィラキシーを起こす人は、その後の自然治癒は厳しいものと推測されています。

 今回雑誌THE Journal of PEDIATRICSより、段階的に焼き菓子や加熱したミルク(EHBM)を与える事により、ミルクアレルギー(CMA)の耐性を獲得させる方法(SGEP)が掲載されています。



纏めますと

1) 目標は、加熱していない生の牛乳を250ml飲む事と定義しています。
   CMAの診断はスクラッチテスト(プリックテスト)かIgEによります。
   EHBMでアナフィラキシーを起こした小児は除外しています。

2) 1~4歳のCMAが対象です。
   43名が段階的なEHBMとして(平均年齢は17ケ月)コントロール群(厳格なミルク除去)が
   67名です。平均で年齢70ケ月まで経過観察をしています。

3) 段階的耐性方法のSGEPは4段階行います。
   チャレンジテストとして医療機関で行い、特にアレルギー反応が無ければ同じ方法を3ケ月間
   家庭で継続します。

   ・ステップ1 加熱したミルクを1gr含有するクッキーを毎日食べる。
          つまり合計で7gr/週摂取する事になる。
   ・ステップ2 加熱したミルクを1gr含有したパンケーキを毎日摂取
   ・ステップ3 加熱したチーズ蛋白を4gr含有したトーストかピザを毎日摂取
   ・ステップ4 加熱しないチーズ蛋白を4gr含有したヨーグルトを毎日摂取

   ステップ4以降3か月が経過したら、生の牛乳を250cc摂取する。
   もしもアレルギー反応が出現したら、前のステップに戻り3ケ月間試みる。
    (詳しくは下記のPDFを参照)
   以上合計で最短で12~18ケ月で終了を目指す。

4) 副反応としては、16名(37%)が軽度のアレルギー反応を起こしました。
    (一例が入院を必要としています。)
   アレルギー反応が認められた場合は、含有するミルクを半量にして再開します。
   5名が親の希望でSGEPから離脱しています。しかし全員がそれなりの耐性を獲得しています。
   運動誘発はありませんでした。

5) 結果としては、SGEP としてアレルギーの解除に要した時間は36ケ月でした。
   一方コントロール群では98ケ月でした。
   70%が完全解除に至り、IgEも減少していました。しかし30%はある段階での耐性が獲得され
   ましたが、最後まで生の牛乳は摂取できませんでした。

6) 後方解析ですので自ずと限界がありますが、ピーナッツアレルギーでも証明されているように、
   早期の介入が奏功しそうである。






私見)
 本院で行っているミルクアレルギーに対するチャレンジテストとの整合性を文献的に考察して、後日
 ブログします。SGEPを修正して、安全性を確立してから実施する必要がありそうです。
 職員の皆さん知恵をしぼりましょう。






ミルクアレルギー.pdf












posted by 斎賀一 at 20:27| Comment(0) | 小児科