小児の軽度頭部外傷の保護者に対する説明
Effect of the Head Computed Tomography Choice Decision
Aid in Parents of Children With Minor Head Trauma
Aid in Parents of Children With Minor Head Trauma
アメリカでは、小児の軽度の頭部外傷に対して37~50%が頭部CT検査を行っています。
しかし、CTで所見がある脳外傷(脳損傷)は10%以下で、しかも外科的治療が必要な例は0.2%との
ことです。
小児にCT検査をする事は将来問題があるとの指摘もあり、厳格な適応基準が求められています。
現在ではPECARNの判定基準が一番用いられています。 (以前のブログ及び下記のPDFをご参照
ください。)
PECARNでリスクがゼロの場合はCT検査は必要ありません。2以上の時はCT検査の適応です。1の時が中間(intermediate)で、CTを実施するかどうか判断に迷う所です。
そのintermediateの時に、保護者に対して普段の言葉で教育し説明して、双方向でCT検査の必要性
を判断するという援助(aid)で、その後の効果がどうなっているかを調べた論文が、JAMAに掲載されて
います。
結論的には
中間(intermediate)でaidを実施しても、その後のCT検査の実施頻度に差はありませんでした。
しかしCT検査実施に関する保護者との論議は減少し、臨床家に対する信頼が増えました。
更に受傷後の7日間は、医療機関に対する不要な受診も減少していました。
私見)
全ての医療に関係する問題提起と感じました。
本論文から患者さん用のパンフを作成し、またUPTODATAを基に本院でのPECARNの説明パンフも
作成しました。以前のパンフと併せ、軽度の頭部外傷と判断したら、職員の皆さんで事前に事故の経過やGCSを判定しておいてください。
実地医家の場合に「生兵法は創の基」との狭間でいかに踏みとどまるかが問題と認識しています。
Pecarnのアルゴリズムのネットも利用しましょう。
https://www.mdcalc.com/pecarn-pediatric-head-injury-trauma-algorithm
jama 頭部外傷.pdf
頭部外傷の説明.pdf
PECARNのルール.pdf