2018年09月13日

大腸癌の予防のための5つのライフスタイル

大腸癌の予防のための5つのライフスタイル
 
Healthy Lifestyle Factors Associated With Lower Risk
of Colorectal Cancer Irrespective of Genetic Risk



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 大腸癌の予防のために、少量アスピリンを勧める文献もありますが賛否両論のようです。
今回の論文は一見、当たり前と論評されそうですが、心すべき内容と思いブログしました。
 最近では大腸癌が西洋諸国や日本でも増加傾向です。先進国のライフスタイルと関連性があるのでは
との観点から、下記のライフスタイルを調べています。

 ・喫煙 ・アルコール摂取 ・ダイエット ・運動 ・肥満  の5項目です。


纏めますと

1) 大腸癌の4,092人と、コントロール群の3,032人を対象にしています。
   大腸癌の45%は5項目に不一致でした。 (5項目には気を付けていない。)

2) ライフスタイルで、0か1つしか気を付けていない場合と比較すると
   2個では危険率は0.85、3個では0.62、4個では0.52、5個全部では0.33と、段階的に減少して
   います。

3) 論者も5項目すべてを守る事は現実的でないとしていますが、出来るだけライフスタイルの改善に
   取り組めば、危険率は約半分になるとしています。






Healthy Lifestyle Factors Associated With Lower Risk of Colorectal Cancer Ir.pdf












posted by 斎賀一 at 14:12| Comment(0) | 消化器・PPI

2018年09月12日

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は肝癌の危険因子

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は肝癌の危険因子
 
Risk of Hepatocellular Cancer in Patients
with Nonalcoholic Fatty Liver Disease



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 脂肪肝にはアルコール性と非アルコール性があります。
この非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、非アルコール性脂肪肝(NAFL)と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に分かれます。   (以前の私のブログを参照)

今回の論文では、このNAFLDから肝癌の発生が予想以上に多いことを裏図けるデータを示しています。



纏めますと

1) 2004~2008年の間でNAFLDと診断された人を登録し、その後肝癌、死亡又は2015年までの観察
   期間として解析しています。
   NAFLD患者の296,707人に対して、コントロール群の296,707人を比較対象しています。
   平均年齢は55.4歳です。

2) ベースラインでの肝硬変の率はNAFLD群では0.4%でしたが、研究終了時で1.4%に上昇していま
   した。
   肝癌の発生は545名で、その内NAFLD群では490名でした。
   肝癌発生の頻度は、NAFLD群では0.21人/1,000人/年、コントロール群では0.02人/1,000人/年
   と、約10倍の危険率でした。

3) 1,000人/年で見ると男性が0.4人対して女性は0.22人と男性の方が危険率が高く、65歳以上と
   以下では0.41人と0.01~0.21人でした。





私見)
 男性で見ますと、10年リスクは0.4%となるでしょうか。
 肝癌に絞っての事ですので少ないようで多い感じです。
 また大雑把に言って、NAFLDは10年で1%の肝硬変への移行でしょうか。




Risk of Hepatocellular Cancer in Patients with Non-alcoholic Fatty Liver Dis.pdf










posted by 斎賀一 at 18:33| Comment(0) | 肝臓・肝炎

2018年09月11日

安定狭心症にCT冠動脈造影は有効か

安定狭心症にCT冠動脈造影は有効か
 
Coronary CT Angiography and 5-Year Risk of Myocardial Infarction
n engl j med 379;10 nejm.org September 6, 2018



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 最近、こちらに転居されて本院を受診された方がいらっしゃいました。
前医で安定狭心症と診断され適切な治療を受けていましたが、念のためCT冠動脈造影(以下CTA)を
勧めたところ、安定しているからとの事で躊躇されました。
 以前より、侵襲的な検査をする前に、このCT検査は有用とのデータが多い反面、費用の点からアメリカ
の保険団体は適性な運用を指導しています。
 雑誌NEJMに関連文献が掲載されていましたが、今回奮起してブログで紹介します。
スコットランドからの報告です。


纏めますと 

1) 以前にSCOT-HEART研究とPROMISE研究がありましたが、比較的短い期間の研究でした。
   (20~22カ月) 本研究は5年間の経過観察です。  ☆下記PDFを参照

2) 安定胸痛を有し、評価のために循環器診療施設に紹介された患者 4,146 例を、標準治療に加えて
   CTA を行う群(2,073 例)と、標準治療のみを行う群(2,073 例)に無作為に割り付けました。
   CTで冠動脈が完全閉塞しているか、または10~70%の閉塞例と、CTをしない場合はASSIGNスコ
   アー(※下記にアクセス)で20点以上のリスクのある人は、専門家に照会して予防的に積極治療を
   加えています。 (多くが少量アスピリンとスタチン系)

3) 主要転帰は、5年の時点での冠動脈疾患による死亡、または非致死的心筋梗塞としています。
   主要評価項目の5年発生率は、CTA 群の方が標準治療群よりも低かった。
    ( 2.3% [48 例]  対  3.9% [81 例] )
   侵襲的冠動脈造影および冠血行再建の施行率は、追跡開始後最初の数ヵ月間は CTA 群のほうが
   標準治療群よりも高かったが、5年の時点では全体の施行率は同程度となり、侵襲的冠動脈造影は
   CTA 群 491 例と標準治療群 502 例(ハザード比 1.00,95% CI 0.88〜1.13)、冠血行再建は
   CTA 群 279 例と標準治療群 267 例(ハザード比 1.07,95% CI 0.91〜1.27)に施行された。
   しかし、CTA 群の方が予防療法を開始した患者が多く、(オッズ比 1.40 95% CI 1.19〜1.65)
   抗狭心症療法についても多かった。

4) 結論として、安定胸痛を有する患者に対する標準治療に CTA を追加した場合、標準治療のみを
   行った場合と比較して、5年の時点で冠動脈疾患による死亡や非致死的心筋梗塞の発生率が有意
   に低下していた。

5) CTを行った方が迅速に更なる治療(ステント治療など)を実施できるが、標準的治療群では心筋梗塞
   などの発症が遅れて出現するので、侵襲的治療もタイムラグが生ずる。
   しかも、CTで冠動脈にある程度の閉塞所見があれば積極的治療に転ずることが出来るし、患者も
   治療のモチベーションが上がる事からこの結果に繋がったと推測しています。

6) CTで冠動脈が閉塞している患者の約半数が心筋梗塞を発症しているが、標準的治療の群ではそれ
   よりも多いと推測される。

7) 全体では5年間で4%、10年で8%が心血管疾患を発症している。
   本研究の約半数は何らかの閉塞をしていたことから、このような人では10年で16%の発症となる。





私見)
 そんな訳で、やはりCT冠動脈造影をするのも選択肢です。
 やらない選択肢ならば、ライフスタイルの徹底した改善が必要なようです。
 胸痛患者さんで心血管疾患の疑いがあれば、心筋梗塞発症の危険率は10年で10%と覚えて説明
 します。




※ASSIGNスコアーのアクセスは下記


 http://www.assign-score.com/estimate-the-risk/


CT冠動脈造影.pdf

研究.pdf











 

posted by 斎賀一 at 20:29| Comment(0) | 循環器