2018年08月27日

U型糖尿病の危険因子の解析

U型糖尿病の危険因子の解析

Risk Factors, Mortality, and Cardiovascular
Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes
n engl j med 379;7 nejm.org August 16, 2018


0827.PNG



 U型糖尿病の患者さんは、心血管疾患のリスクが2~4倍あると言われています。
雑誌NEJMより、個々のリスクを解析してU型糖尿病の場合にどの程度のリスク関与があるかを調べた
論文が、スウェーデンより発表されました。


纏めますと

1) 2型糖尿病患者 271,174 例を対象に、コントロール群 1,355,870 例と比較検討しています。
   追跡期間中央値は 5.7 年、その間に 175,345 例の死亡が発生しています。

2) 5つの危険因子としてのrange(異常)は下記のように定義しています。
   ・ヘモグロビンA1c (7.0%以上)
   ・血圧 (収縮期は140以上、拡張期は80以上)
   ・尿蛋白 (アルブミン尿を含む)
   ・喫煙 (登録時に喫煙の有無)
   ・LDL-C (悪玉コレステロール)

3) U型糖尿病でも危険因子が全てない場合は、糖尿病でない人と比べて予後は変わりがない。
   但し、心不全による入院率はU型糖尿病の方が多い。



          0827-2.PNG   
           tctmd.comより


   (上の図は、U型糖尿病で5つの危険因子が無い場合の非糖尿病との比較です。心不全での入院
   以外は同じ)
  危険因子が多くなるに従って死亡率、心血管疾患は増加するが、その程度は若い人に顕著で、80歳
  以上の高齢者では、あまりその傾向は見られなくなる。

4) 2型糖尿病患者では、ヘモグロビンA1cの異常値が脳卒中と急性心筋梗塞の最も強力な予測因子
   であり、喫煙が死亡の最も強力な予測因子でした。
   以前のSPRINT研究では、血圧は低い方が良いとの結果でした。
   一方でACCORD研究では、U型糖尿病の場合は厳格血圧コントロールの利点が証明されません
   でした。
   しかし、本研究では血圧のコントロールの意義が証明されています。

5) 個々の危険因子との関係はPDFのグラフで解説します。
   (尚、統計学的処置を施して解析していますので、本論文とsuppleの両方をPDF化しました。)
   結論的には、ヘモグロビンA1cのコントロールと禁煙指導が、特に若い人では大事な様です。




私見)
 U型糖尿病患者さんの治療戦術にも、層別化が必要です。
 しかし禁煙、運動の指導の重要性を説明する事が以前同様に大事です。
 治療の目安は年齢との組み合わせでA1cを指標とします。





本論文より U型糖尿病に危険因子.pdf











posted by 斎賀一 at 19:51| Comment(1) | 糖尿病