2018年08月16日

潜在結核の治療:リファンピシンの4か月療法

潜在結核の治療:リファンピシンの4か月療法
 
Four Months of Rifampin or Nine Months of Isoniazid
for Latent Tuberculosis in Adults
 n engl j med 379;5 nejm.org August 2, 2018
 


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 結核菌の感染を起こしても、発病しない場合を潜在結核としています。
以前は10人に1人が発病すると言われていましたが、世界人口の4分の1が潜在結核との報告もあります。この潜在結核が、結核発症の危険な温床であることは間違いありません。
以前は潜在結核の治療は「化学予防」する事が結核症という疾病の予防に繋がるとしていましたが、現在の考えは潜在的な疾患の治療に重きを置いた考えです。
 結核感染の診断方法として、従来より行われてきたツ反は過去のBCG 接種や非結核性抗酸菌等の影響を受けるため、特異度が問題でした。
2010 年頃より、同第三世代(クォンティフェロンレジスタードマークTB ゴールド;QFT-G)に代わっています。さらに2012 年11 月にT スポットレジスタードマークTB(以下 T-SPOT)も健康保険に収載されました。本院では主にTスポットを採用しています。

 この潜在結核に対する治療は、従来からヒドラが処方されていましたが、副作用の問題でリファンピシンが検討されています。エビデンスとしては両者の比較試験は乏しかったようですが、今回雑誌NEJMよりリファンピシンの非劣性と副作用の軽減が報告されました。日本のガイドラインとほぼ同様です。


纏めますと

1) ツベルクリン反応陽性かクォンティフェロン陽性で潜在結核と診断された18歳以上の約6,800人を
   9か月のヒドラと4か月のリファンピシンの投与群に振り分けて、28週間経過観察をしています。

2) リファンピシン群 3,443 例では、7,732 人/年の追跡期間中に確認された活動性結核は 4 例に
   発生し、臨床的に診断された活動性結核は 4 例に発生したのに対し、イソニアジド群 3,416 例
   では、7,652 人/年の追跡期間中にそれぞれ 4 例と 5 例に発生しています。
   (2年間余り経過を見ていますので、人/年で見ますと約2倍のデータとなります。また経過観察中で
   経過が不明な例も結果が判明している場合と、予備研究でも結果が判明している場合を本研究に
   追加しています。)

3) 確認された結核とは、培養で結核菌が陽性、生検で肉芽腫の証明、塗抹で抗酸菌陽性、結核菌PCR   
   法で陽性の何れかを言います。
   臨床的診断とは結核症の疑いの人を対象に、経過、レントゲン診断、細菌学的データを総合して3人
   中2人以上の専門医が活動性結核症と診断した場合です。

4) リファンピシンはヒドラに対して非劣性でした。
   しかも、特に肝障害の副作用が軽減されていました。







私見)
 結果は下記のPDFをご参照ください。





NEJM 潜在結核.pdf

潜在結核 宇都宮病院.pdf

潜在結核 予防財団.pdf

潜在結核.pdf













posted by 斎賀一 at 14:31| Comment(0) | 感染症・衛生