2018年08月28日

風疹の流行

                        風疹の流行
         <業務連絡用>



              厚労省より通達がありました。
              妊婦の家族に対するワクチン接種の勧奨です。

              通達と最近の動向を掲載します。





        風疹通達.pdf

        風疹動向.pdf










posted by 斎賀一 at 19:02| Comment(0) | 感染症・衛生

2018年08月27日

U型糖尿病の危険因子の解析

U型糖尿病の危険因子の解析

Risk Factors, Mortality, and Cardiovascular
Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes
n engl j med 379;7 nejm.org August 16, 2018


0827.PNG



 U型糖尿病の患者さんは、心血管疾患のリスクが2~4倍あると言われています。
雑誌NEJMより、個々のリスクを解析してU型糖尿病の場合にどの程度のリスク関与があるかを調べた
論文が、スウェーデンより発表されました。


纏めますと

1) 2型糖尿病患者 271,174 例を対象に、コントロール群 1,355,870 例と比較検討しています。
   追跡期間中央値は 5.7 年、その間に 175,345 例の死亡が発生しています。

2) 5つの危険因子としてのrange(異常)は下記のように定義しています。
   ・ヘモグロビンA1c (7.0%以上)
   ・血圧 (収縮期は140以上、拡張期は80以上)
   ・尿蛋白 (アルブミン尿を含む)
   ・喫煙 (登録時に喫煙の有無)
   ・LDL-C (悪玉コレステロール)

3) U型糖尿病でも危険因子が全てない場合は、糖尿病でない人と比べて予後は変わりがない。
   但し、心不全による入院率はU型糖尿病の方が多い。



          0827-2.PNG   
           tctmd.comより


   (上の図は、U型糖尿病で5つの危険因子が無い場合の非糖尿病との比較です。心不全での入院
   以外は同じ)
  危険因子が多くなるに従って死亡率、心血管疾患は増加するが、その程度は若い人に顕著で、80歳
  以上の高齢者では、あまりその傾向は見られなくなる。

4) 2型糖尿病患者では、ヘモグロビンA1cの異常値が脳卒中と急性心筋梗塞の最も強力な予測因子
   であり、喫煙が死亡の最も強力な予測因子でした。
   以前のSPRINT研究では、血圧は低い方が良いとの結果でした。
   一方でACCORD研究では、U型糖尿病の場合は厳格血圧コントロールの利点が証明されません
   でした。
   しかし、本研究では血圧のコントロールの意義が証明されています。

5) 個々の危険因子との関係はPDFのグラフで解説します。
   (尚、統計学的処置を施して解析していますので、本論文とsuppleの両方をPDF化しました。)
   結論的には、ヘモグロビンA1cのコントロールと禁煙指導が、特に若い人では大事な様です。




私見)
 U型糖尿病患者さんの治療戦術にも、層別化が必要です。
 しかし禁煙、運動の指導の重要性を説明する事が以前同様に大事です。
 治療の目安は年齢との組み合わせでA1cを指標とします。





本論文より U型糖尿病に危険因子.pdf











posted by 斎賀一 at 19:51| Comment(1) | 糖尿病

2018年08月25日

睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)に対する新たな警告

睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)に対する新たな警告
 
The risk of Alzheimer's disease associated
with benzodiazepines And related drugs



0825.PNG



 ベンゾジアゼピン系の睡眠導入薬と認知症に関しては、広く関心が持たれています。また厚労省より、
本薬剤は30日以上の連続した長期処方が出来ないとの通達も出ました。
 今回、ベンゾジアゼピン系と認知症(アルツハイマー病)との関係について、新たな研究論文が出て
いましたので掲載します。


纏めてみますと

1) 不眠症の治療に、このベンゾジアゼピン系の睡眠導入薬が多く処方されています。
   しかし、睡眠時間の全体をカバーする事は出来ないのに、代わりに副作用の問題が残ってしまう。

2) 本薬剤の分子構造においてはそれぞれ異なっているが、その作用はほぼ同じで、眠気、異常行動、
   転倒、骨折といった副作用も同様である。

3) しかもその処方は高齢者の9~32%に及んでいる。

4) 2005~2011年に掛けて、フィンランドの34~105歳のアルツハイマー病患者70,719人を対象に
   しています。コントロールとして282,862名が登録されました。

5) ベンゾジアゼピン系の睡眠導入薬の暴露は1日〜1カ月、1カ月〜1年、1~5年、5年以上に分けて
   います。

6) アルツハイマー病と診断される以前の1995年からの5年間に限り、本薬剤の使用を調べています。

7) 結果は、本薬剤を服用していない人に比べて、服用するとアルツハイマー病の危険率は1.19でした。
   本薬剤を服用すると、5.7%がアルツハイマー病を併発する可能性が出るとの事です。

8) 上記の様にその危険率や発生頻度は意外に低いのですが、1か月以上の服用や高齢者に多く処方
   されている現状が問題だとしています。

9) アルツハイマー病は認知症のリスクを意味しますが、現在のところアミロイドーシスやタウ蛋白との
   関連を証明した論文は出ていません。
   本薬剤が、直接認知機能に関与するかは明白でありません。
   それでも高齢者に本薬剤を長期に処方する事は、避けるべきとしています。





私見)
 本院でもベンゾジアゼピン系の睡眠導入薬を、長期に服用している患者さんがおります。
 ガイドラインに沿って離脱を試みますが、難儀をしています。
 患者さんも医療従事者も、その認識を持って共同作業をしていきたいと思います。





The risk of Alzheimer's disease associated with benzodiazepines.pdf












posted by 斎賀一 at 14:46| Comment(0) | 脳・神経・精神・睡眠障害