2018年06月07日

T型糖尿病にも糖質制限食が有効

T型糖尿病にも糖質制限食が有効
 
Management of Type 1 Diabetes With a Very Low–Carbohydrate Diet



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 T型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌細胞のβ細胞が自己免疫疾患により破壊されインスリンの分泌低下を招いた疾患で、そのため一般的にはインスリン注射が絶対的に必要です。(TAとTBがあります。)
 原因としては、単T遺伝子や感染症も考えられています。発症のピークは11~12歳です。進行の速さ
より、劇症、急性発症、緩徐進行の3つのタイプがあります。
発症が子供や青年期に多い点が問題です。

 アメリカの Pediatrics に、このT型糖尿病にも糖質制限が有効との論文が掲載されていますので、
纏めてみました。


1) インスリンが発見される前は、糖質制限が糖尿病の基本的治療でした。
   インスリン導入後は好きな食事を摂る代わりに、カロリー制限が食事療法の基本となっています。
   しかし、色々なインスリン製剤の進歩にもかかわらず、糖質の吸収とインスリン注射の作用開始との
   ミスマッチがあり、十分な食後血糖のコントロールが出来ないのが現実です。
   食後過血糖が心血管疾患に繋がりますし、それをコントロールしようとすると低血糖の副反応が
   生じてしまいます。糖質制限食(VLCD)に対しては栄養不足、小児の成長阻害、低血糖の出現など
   が懸念されています。VLCDの効果と副反応に関して、T型では初めての論文とのことです。

2) 316人のT型糖尿病患者を登録しています。
   成人が54%、小児が42%です。 平均年齢は16歳±14
   糖質制限食(VLCD) ; 糖質を30gr/日以下としています。
   インスリンの注射量は、空腹時血糖と食後血糖によって経験的に決定しました。
   T型糖尿病の経過は、発症より平均で11年±13
   糖質制限食を開始して、平均で2.2±3.9年の経過観察です。

3) 糖質制限食の実際は平均で36gr/日となっています。
   VLCD後にヘモグロビンA1cは7.15から5.67に改善し、ほぼ正常域です。
   継続血糖モニタリングが出来た137名では、平均血糖も104mg/dlと改善していました。
   改善に関しては小児も成人も同等でした。
   低血糖、入院率などの発生率も低下しました。

4) T型糖尿病の小児に成長抑制があるのは、元来血糖が不安定であるためで、今回のVLCDでは
   逆に軽度の成長をコントロールと比較して認めています。
   VLCDにより血糖のコントロールが安定しているため、インスリンによる低血糖の副反応も少ない
   事が入院率の減少に繋がったとしています。

5) 詳細な結果はfullの本論文とsupplementをご参照ください。





私見)
 成長期に最も懸念される糖質制限は、効果があるとの結果です。
 昔のままの考えではダメなようです。


   “ 古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるものでございます。
    右を向いても左を見ても、糖質制限じゃあござんせんか。 ”






Very Low–Carbohydrate Diet.pdf

supp 糖質制限 小児科 .pdf










posted by 斎賀一 at 14:39| Comment(1) | 糖尿病