2018年05月02日

鎮痛薬のセレコックスは心血管疾患にも安全

鎮痛薬のセレコックスは心血管疾患にも安全
 
Effect of Aspirin Coadministration on the
Safety of Celecoxib,Naproxen, or Ibuprofen
J A C C V O L . 7 1 , NO . 1 6 ,
2 0 1 8 A P R I L 2 4 , 2 0 1 8



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 鎮痛薬は、一般的にはCOX-1阻害薬です。
それに対してCOX-2阻害薬は、胃には優しいが鎮痛効果はやや弱いとされています。
更に以前、COX-2阻害薬のrofecoxibが心血管疾患に対して増悪するとされ、警告が出されました。
同類のセレコックスに対しても疑いの目で見られています。
 また一方で、COX-1阻害薬はアスピリンの作用を減弱する懸念もあり、アスピリンと併用する際にはCOX-1とCOX-2の阻害の両方を兼ね備えたブルフェンとナイキサンを、時間差で服用すれば良いのではとも言われています。

 今回、心臓のメジャー雑誌のJACCより、セレコックスはCOX-2ではあるがRofecoxibとは異なり心血管
疾患を増悪しないし、副作用も少ない比較的安全な鎮痛薬とする論文が掲載されました。



纏めますと

1) 23,953名の関節リュウマチ、骨関節疾患の患者を対象にしています。
   処方30日間の経過後に調査を開始して、最短18カ月から最長43カ月の経過観察をしています。

2) セレコックス、ブルフェン、ナイキサンをランダマイズに投与された時点で、抗血小板作用のため
   少量アスピリンを処方されていたのは、約11,000人でした。

3) 長期の心血管疾患の発生(extended MACE)はアスピリンを服用していない場合で、セレコックス
   がブルフェン、ナイキサンより勝っていました。
   少量アスピリンを併用している場合はその差は少なくなってきていますが、依然としてセレコックス
   の方が優位でした。
   更に長期になれば、消化管疾患の合併や腎機能の低下に関しても、セレコックスの方に分があり
   ました。

4) 本論文はintention-to-treat populationという解析を駆使しており、そのため以前の研究とは
   異なる結果に繋がったとしています。
    (残念ながら私にはよく分かりません。しかし大御所のJACCが言っている事なので、その通りと
     言ったところでしょうか。)

5) 詳しい結果は下記のPDFをご参照ください。





私見)
 心血管疾患と鎮痛薬に関しては、私の以前のブログをご参照ください。
 セレコックスに関しては認識を新たにしました。
 しかし、セレコックスは鎮痛効果がやや劣るのでブルフェン、ナイキサンよりも継続時間が短いから副作
 用も少ないとする、やや揶揄した論評もありました。
 ともあれ、鎮痛薬は出来るだけ長期処方を避けるべき、と考えます。






セレコックス.pdf

日本ペインクリニック学会.pdf












posted by 斎賀一 at 19:10| Comment(1) | 循環器