2018年04月24日

心不全患者の血液検査(BNP、NT-proBNP)

心不全患者の血液検査(BNP、NT-proBNP)
 
N-Terminal Pro–B-Type Natriuretic Peptide
in the Emergency Department



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 心不全の呼吸困難を急患で診断する場合に、血液検査のNT-proBNPは有用です。
  (本院は採血上の理由からNT-proBNPを採用しています。)
しかし、その判定には落とし穴があり、注意が必要と以前より指摘されていました。
 今回救急でのセッティングで、どのように対応するかの指針となる論文がでました。
以前に報告されているICON strategyを踏襲し、その確認の論文です。
 心不全にはHFrEF(収縮力の低下つまりエコーで駆出率の低下)と HFpEF(収縮力が保たれている、つまりエコーで駆出率が正常)があります。
以前から比べると救急での心不全の受診は減少していますが、その代わりに収縮力が温存されているHFpEFが多くなっています。また腎機能低下、肥満、心房細動など、BNPの判定には注意が必要な疾患も増加しています。


本論文を纏めますと

1) 今回の研究は ICON-RELODED STUDY と命名しています。
   1,461名が対象です。22歳以上(平均56歳)で呼吸困難で救急を受診しています。
   約19%が心不全でした。
   以前のストラテジィーが同様に有効でした。その感度と特異度を調べています。
   しかし診療のセッティングが変わった場合や呼吸困難以外の心不全症状の場合など今後の研究が
   必要としています。

2) 心不全と診断する場合は(rule-in)年齢依存です。
   ・50歳以下の場合は450pg/ml : 特異度は93.9%
   ・50〜75歳の場合は900pg/ml : 特異度は84.0%
   ・75歳以上の場合は1800pg/ml : 特異度は75%

3) 心不全を除外診断する場合は (rule-out)年齢に関係なく
   300pg/ml;感度は93.9% (この場合は特異度ではありません。)

4) このrule-outとrule-inの間がグレイゾーンです。
   この事がBNPの限界でもあり、本論文では救急の呼吸困難でのBNPの解釈という点が限界として
   います。





私見)
 下記のPDFで掲載しましたが腎機能低下、HFrEF、HFpEF、心房細動の場合が解釈の問題となります。
 HFpEFの診断と治療はかなり見解が分かれているようです。
 この事を含めて勉強しましたので参照ください。




◆参考文献
 循環器疾患;日本医事新報社   2009年版
  (旧版にしかHFpEFは記載がありませんでした。)
 循環器診療をスッキリまとめました : 村川裕二、南江堂
 エクスプレス循環器病ファイル : 村川裕二、メディカル・サイエンス・イン
 循環器病態学ファイル : 村川裕二、メディカル・サイエンス・イン
 心不全の実地診療 : Medical Practice  3月号、2014
uptodate
Jpn J Med Ultrasonics Vol.33 No.3 2006




本論文 (2).pdf

本論文のグラフ.pdf

心不全 拡張機能障害.pdf

以前の論文.pdf











posted by 斎賀一 at 20:48| Comment(1) | 循環器