2018年04月20日

胆石

胆石

Gallstones:Watch and wait,or intervene?
CLEVELAND CLINIC JOURNAL OF MEDICINE
VOLUME 85 • NUMBER 4 ・ APRIL 2018



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 最近、胆石の患者さんからの質問が多くありました。
丁度、CLEVELAND CLINIC JOURNAL OF MEDICINE の今月号に胆石の総説が載っていました
ので、纏めてみました。


1) アメリカでは7人に1人が胆石をもっている。 (ほんと!)
   運よくその80%は無症状です。

2) 75%がコレステロール結石である。
   原因は胆嚢炎と思われていたが、最近では胆嚢の収縮低下と胆嚢へのコレステロールの分泌亢進   
   が関与していると思われている。

3) 危険因子として、急激な体重減少、逆に肥満、糖尿病、溶血性貧血、女性。

4) 症状の疼痛は、疝痛として文献では一般的に記載されているが、多くは30〜120分継続する激しい
   持続性の疼痛である。
   疼痛の原因が胆嚢の拡張だけによる場合は心窩部痛であるが、体性神経系も関与している場合に
   は、背部痛や右上肢痛が60%出現する。
   疼痛は体位の変化で軽減しない。
   また、痛みは食後1時間以上してから起きるので、食後痛と言うよりは、夜間の疼痛に胆石発作を
   疑う。
   胆石発作は69%が2年以内に再発する。


◆次に合併症としては

 5) 急性胆嚢炎(cholecystitis)
    右上腹部痛が多く悪心、嘔吐を伴うことがある。
    Murphy signは80%前後

 6) 胆管結石(choledocholithiasis)

 7) 急性細菌感染(cholangitis)
    総胆管の閉塞と関連する。

 8) 膵炎
    4~8%に起きる。
    アミラーゼやリパーゼが正常の3倍以上増加する。
    肝機能のALTが150以上の場合は、膵炎合併を疑う。


◆次に治療に関しては

 9) 無症候性胆石
    7~26%が症候性に進展する。
    一般的には待機的管理が基本であるが、溶血性貧血の場合は腹腔鏡下胆嚢摘出術を選択する。
    胆嚢壁の石灰化(porcelain gallbladder)は胆嚢癌に繋がると言われていたが、その頻度は
    低いので予防的に摘出術を行わない。

10) 症候性胆石
    急性胆嚢炎では、72時間以内に腹腔鏡下胆嚢摘出手術

    以下省略
     日本の雑誌より



 雑誌 : medical practice,vol.34 no.7 2017より : 良沢昭銘氏・谷坂優樹氏

  無症状胆石の取り扱い
  胆嚢壁を十分に評価できる場合は外科的治療を行わない。
  胆石があって胆嚢癌の発生は5年以上経過観察で0.3%程度であり、その予防目的に外科的治療は
  行わない。                     


 Medical ASAHI 2012 Julyより : 乾和郎氏

  超音波検査で胆嚢腫大、胆襲壁肥厚(3層構造を伴う)、デブリ、胆嚢結石があれば外科的治療の
  適応。


 MedicalA SAHI 2012 Julyより : 田妻進氏

  治療介入が望ましい症例を胆嚢壁肥厚、巨大胆石(径3cm以上)、胆嚢造影陰性は癌の発生の危険
  因子としている。


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私見)
 無症候性胆石の方が本院でも多いのですが、基幹病院にご紹介する基準として、エコーでの胆嚢壁の
 肥厚と、私の勘を重要視しています。

 実地医家で何が大事かと言われれば、勘!

 そんな訳で、どうか基幹病院の先生方、患者さんを門前払いにしないでください。



元文献、胆石.pdf

胆石の文献.pdf

50歳代男性 肺炎が治らない.pdf
















 
posted by 斎賀一 at 21:01| Comment(0) | 消化器・PPI