2018年04月19日

でべそ:臍ヘルニア

でべそ:臍ヘルニア



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 最近ですが、本院に臍ヘルニアの乳児が来院して保護者の方がかなり心配しておられたので、調べて掲載しました。


1) 腸管が脱出していれば臍ヘルニア、腸管脱出がなければ臍突出症といいます。
   総称して「でべそ」と呼んでいます。

2) 新生児の4~10%に認められる。
   低出生体重児は、腹筋が未発達のため頻度が高く、1,000~1,500gの赤ちゃんは80%以上の
   発生率

3) 出産時の臍帯の処置と臍ヘルニアは関係が無い。

4) 生後3か月までは大きくなるが、腹筋が発育する1歳ごろには90%が自然に治る。

5) 1〜2歳を超えても治らなければ、手術が必要になる。
   全身麻酔で行われる。

6) 圧迫療法は遅くなると効果が出にくくなるので、開始は生後2か月前後が適当




★参考文献
  乳幼児健診 : 小児科臨時増刊号、V.58 N9.2017



私見)
細かい点はPDFをご参照ください。




でべそ.pdf

ドクターサロンより.pdf

















posted by 斎賀一 at 13:48| Comment(0) | 小児科

2018年04月16日

小児の扁桃腺摘出術の安全性

小児の扁桃腺摘出術の安全性
 
Association Between Age and Weight as Risk Factors
for Complication After Tonsillectomy in Healthy Children
JAMA Otolaryngology–Head & Neck Surgery
Published online March 15, 2018



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 自称まじめ人間な私は医学生の3〜6年生の4年間、病理学教室に出入りをして病理解剖を手伝っていました。大昔の事で、医学の発達した現代とは比ぶべくもありませんが、その時代サマーキャンプの一環として、小児の扁桃腺摘出を行う行事がありました。その際に不慮の事故が起き、病理解剖の手伝いをした経験があります。勿論時代錯誤の誹りを受けかねませんが、開業しても保護者に扁桃腺摘出術を受けるべきか質問されると、そんな私の学生時代の記憶がよぎります。
(もちろん、執刀したのは私ではありません。)

 今回JAMAより、小児の扁桃腺摘出術に関する安全性の論文が出ました。
本来の論文の意向とはかけ離れてしまいますが、示唆に富む結果なので敢えて覚悟の上、意訳をして
読んでみました。

1) 俗に言う日帰り手術と2〜3日の入院での手術を比較すると、その経費は10分の1に節約できる。
   しかしAA-HNS(アメリカの学会)もリスクを勘案して、3歳以下の小児では入院での治療を勧めて
   います。

2) 以前の報告では、術後の出血は2~3%、呼吸障害は6.4%の頻度とされていました。
   また、体重が少ない人は脱水になり易く、逆に肥満の場合は術後合併症が多いと懸念されて
   います。

3) 本論文では、2005~2015年間の扁桃腺摘出術を受けた、6歳以下の2,362人を対象にして
   います。
   患者をa:入院 b:24時間観察 c:外来(麻酔が切れるまで管理)の3群に分けて調べました。
   外来治療での安全性を調べるのが趣旨の論文のため、その意図で患者を選択しています。
   また以前は化膿性扁桃腺炎が原因疾患でしたが、最近では90%近くが閉塞性睡眠時無呼吸
   (OSA)が治療対象です。この論文は10年前からの統計であるため、原因疾患は約半々と
   なっています。

4) 最終的には1,817名を対象にしています。
   3歳以下の場合は455名中7%、3歳以上では1,362名中4.6%に合併症が起きています。
   詳しくは下記のPDFのグラグをご参照ください。
   危険因子として、体重は本論文では因果関係が証明されませんでした。

5) 3歳以下では合併症が主に24時間以内に起きている。
   しかし脱水や出血は術後14日でも起きており、また疼痛も7日間続いている場合も多く、1日の
   経過観察では不十分である。

6) 結論として、3歳以下の場合には合併症が増加する。




私見)
 専門家でない私は、偏見を交えて下記の様にコメントします。

 「日本では入院治療ですし、技術も発展しており安全に手術を施行してもらえますが、3歳までは
  様子を見てはどうでしょう。」

追伸)
 院内で炎上してしまいました。私は単に病理解剖の助手をしただけです。
 全く私は無実です。


  


扁桃腺摘出術の合併症.pdf







posted by 斎賀一 at 19:51| Comment(0) | 小児科

2018年04月14日

糖尿病患者にβ-ブロッカーは注意

糖尿病患者にβ-ブロッカーは注意
 
Risk of All-Cause Mortality in
Diabetic Patients Taking β-Blockers



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 従来から、β―ブロッカーは糖尿病を誘発するので注意、とされていました。
しかし以前の私のブログで、心不全を合併した糖尿病患者にはβ―ブロッカーの有用性を示す論文を紹介しています。(2017-11-25)俄かには信じられないとコメントを書きましたが、今回は真逆の論文が日本の研究者から出たようです。



纏めますと

1) 糖尿病患者2,840人を対象として、その内β―ブロッカーの服用者、697人
   糖尿病でない14,684人で、その内β―ブロッカーの服用者、1,584人を比較しています。

2) 死亡率を調べますと
   ・糖尿病患者でβ―ブロッカーの服用者は、40.6人/1,000人/年
   ・服用していない人は、17.1人/1,000人/年
   ・非糖尿病患者でβ―ブロッカーの服用者は、13.8人/1,000人/年
   ・服用していない人で、5.9人/1,000人/年

3) バイアスが係りますので、解析を行い危険率を調べますと
   ・糖尿病患者で服用の危険率は、1.49
   ・β―ブロッカーの種類では選択的β1で、危険率は1.60
    特異的β(メインテート、セロケン、アーチスト、心不全等は本院でもこれらを主に処方します。)
    では、1.55 でした。
   ・非糖尿病患者では服用の危険率に差は無く、0.99でした。

4) 糖尿病があり心不全もありでの服用の危険率は1.64ですが、非糖尿病で心不全の場合は、危険率
   は0.68で有効との結果です。

5) β―ブロッカーが全て有効とのデータはARB、PTC、NOAC、強力スタチンが出現する前のことで
   あり、β―ブロッカーの低血糖誘発、血管硬化、体重増加などの副反応の方が現在では注目すべき、
   と論者は述べています。





私見)
 本院ではアーチストだけは大丈夫だと認識していましたが、糖尿病患者さんへのβ―ブロッカーは慎重さ
 が必要なようです。





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Risk of All-Cause Mortality in Diabetic Patients Taking β-Blockers - Mayo Cl.pdf

CardiovascularDrugFile2Ep236-241.pdf
















 
posted by 斎賀一 at 14:28| Comment(1) | 糖尿病