2018年03月26日

安静時脈拍数は心血管疾患の予後因子

安静時脈拍数は心血管疾患の予後因子
 
Association of Resting Heart Rate and Temporal Changes
in Heart Rate With Outcomes in Participants
of the Atherosclerosis Risk in Communities Study
JAMA Cardiol. 2018;3(3):200-206


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 安静時の脈拍数はどの位が良いのか、よく患者さんに聞かれることがあります。
文献によりかなり幅があり、100/分まではあまり心配ないとしていました。
 今回JAMAより、やはり脈拍数は少ない方が良く、また少ないままに経過した方が心血管疾患の発生の
予防になるとの論文がでました。


簡単に纏めてみますと

1) ARICという4つの一般住民登録からのコーホー研究です。
   15,680人を対象に1987~1989、1990~1992、1993~1995、1996~1998年で、4回の受診
   時に心電図を測定し、安静時心拍数を記録して2014~2016年まで経過観察しています。

2) 脈拍の測定値として最初のベースライン、最終または疾患発生時の脈拍数(time-uptodated
   HR)、脈拍数の変化(ΔHR、time-uptodatedHR から以前の脈拍数を引いた値)を心電図から
   測定し、死亡率と心血管疾患(心不全、心筋梗塞、脳梗塞など)との関係を調べました。

3) time-uptodatedHRとΔHR共にベースラインの脈拍数より増加していると、明らかに死亡率と心
   血管疾患の増加がありました。



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  下記にもう一度PDF化します。


4) βブロッカーの服用やエクササイズの影響に関しては、十分に検討をしていないということですが、
   それらがこの結果に対しては、大きな変化を及ぼしていないとしています。

5) 交感神経の亢進が、心血管疾患の発生に深く関わっていると推測しています。






私見)
 心血管疾患の予測因子として、心電図と胸部レントゲンでの心肥大(心胸郭比)の推移が最も正確、と
 する意見もあります。
 今回の論文を踏まえて、安静時脈拍は心電図測定では安定していると思われますので、定期的に推移
 を見ていきたいと思いました。
 また、脈拍の多い場合は降圧剤として、交感神経を抑制するCCBやARBの就眠前での服用も有効と考
 えています。βブロッカーを服用してまでの効果を示すエビデンスは無いようです。




脈拍.pdf











 
posted by 斎賀一 at 20:54| Comment(1) | 循環器