2018年03月20日

高齢者ではコレステロールが高い方が認知症にならない?

高齢者ではコレステロールが高い方が認知症にならない?

Outcome age-based prediction of successful
cognitive aging by total cholesterol
Published by Elsevier Inc. on behalf
of the Alzheimer’s Association



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 この件については、テレビなどでまことしやかに語られたり、脳は脂肪で出来ているからコレステロールを薬で下げると認知症になってしまう、とか言う話が流布しています。
一般的には高いコレステロールによる動脈硬化で、認知症にも負の影響があると懸念されています。
 今回の論文では高齢者、特に85歳以上を対象(outcome-age)にフラミンガム研究より、統計学的に調べています。


纏めますと

1) outcome-ageとは最終の調査対象年齢、threshold-ageとは認知機能が正常な最後の年齢、
   entry-ageとは中年で、コレステロールを最初に測定した年齢
   entry-ageからoutcome-ageまで、約40年前後となります。
   last cholesterolはthreshold-ageまでで最後に測定したコレステロール値、正常コレステ
   ロールは200mg以下で、高コレステロールは200mg以上を指します。

2) フラミンガム研究から5,079名を対象に、最終的に1,897名に絞りました。
   (早期の認知症発症例は除外していますので、小規模の人数となっています。)
   2つのグループ(outcome-age)に分けて検討しました。
   75~84歳(1,041名)の10年間と85~94歳(391名)の10年間です。

3) entry-ageからthreshold-ageまでのコレステロールの変化を、5つに分けました。
  (entry-ageで高コレステロール値、threshold-ageで高コレステロール値、平均値、直線状に増加、
   2次関数的に増加 : low もあり。)

4) {75~84}ではコレステロールが直線的に増加すると、認知症も36.7%増加する。
   一方、{85~94}では逆にコレステロールが直線的に増加すると、認知症のリスクが23.3%減少
   していた。



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5) つまり経時的なコレステロールの変化と、outcome-age(統計の最終年齢)が変数(独立因子)と
   して重要である。

6) 高齢者では、高コレステロールが認知症の予防にとって有利に働いているのではなく、高齢になって
   も危険因子の高コレステロールに打ち勝つ何かがあるから、認知症にならないと推測しています。
   このような人の解析が今後の課題だと結んでいます。
   (揶揄した意見もありました。若い頃からバンバン、コレステロール値が高いのに、認知症になら
    ない人を研究したほうが良いのではと!)




私見)
 うまくまとめてくれてありがとう! と言いたい論文です。
 表はPDFで掲載します。
 日本の高齢者脂質異常のガイドラインを掲載します。




Outcome age-based prediction of successful cognitive aging by total choleste.pdf

認知症とコレステロール.pdf

高齢者脂質ガイドライン.pdf
















posted by 斎賀一 at 20:41| Comment(0) | 脂質異常