2018年02月24日

高血圧症の初期治療

高血圧症の初期治療
 
Initial Treatment of Hypertension
N Engl J Med 2018;378:636-44.



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 NEJMに高血圧症の初期治療に関する総説が載っていましたので、参考になる部分だけを纏めて
みました。



1) 高血圧症の増加に伴い、年ごとに高血圧の診断基準の閾値が低下傾向である。
   AHAの高血圧の診断基準を、140から130に下げた。
   (AHAのガイドラインはSPRINT研究の発表前にコンセンサスが得られていたため、その結果は反映
    されずコメントとなったようです。)

2) 家庭血圧の測定方法は、5分間座位で安静後に測定する。

3) 仮面高血圧症を疑う場合は、医院での血圧が安定しているのに家庭血圧が高い場合や、血圧が
   安定しているのに臓器障害が進んでいる場合に疑う。
  
4) 高齢者の場合は座位ばかりでなく、起立での血圧の測定も同時に行う。

5) ステージTの場合は、10年リスクの判定をして10%以上の時に薬物療法を考える。

6) 食塩制限、運動、アルコール制限、カリウムの摂取、鎮痛薬(NSAID)服用のチェック、タバコ、
   心身の安定などのライフスタイルの改善

7) 過去の重要なスタディ(研究)を挙げている。
   ALLHATは降圧利尿薬の有効性を証明
   ACCORDは厳格治療の不利益性を提示
   SPRINTは逆に厳格治療の利点を証明し高齢者にもこの事が適用されるとした。(私のブログを参照
   してください。)

8)薬物治療に関しては
  65歳以上に降圧利尿薬を第一に選択する場合は注意が必要となる。
  2週間後には電解質の検査が必要で、もし低ナトリウム血症が進んでいたら、他の薬剤に変更
  カルシウム阻害薬では浮腫、便秘に注意
  一剤の量を増やすより多剤少量療法の方が効果があり、且つ副作用も少ないとのデータが最近でも
  蓄積されている。 
  合剤の方がアドヘアランス(飲み忘れ予防)が高いので推奨





私見)
 ガイドラインの比較は下記のPDFをご参照ください。
 またAHAのガイドラインに関しては、私のブログ(2017-11-20)をご参照ください。




初期治療高血圧.pdf






 
posted by 斎賀一 at 16:14| Comment(0) | 循環器