2017年12月11日

経口抗凝固薬における出血の管理(DOACを中心に)

経口抗凝固薬における出血の管理(DOACを中心に)

2017 ACC Expert Consensus Decision Pathway on
Management of Bleeding in Patients on Oral Anticoagulants



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 ACCより2017年版の経口抗凝固薬における出血に関連する対応のガイドラインが出ていましたので纏めてみました。


1) 重大(major)な出血とは

  a) 解剖学的に重大な影響を及ぼす部位の出血
  b) 血行動態での変化、つまり頻脈、血圧の低下として収縮期血圧が90以下か40以上の減少
  c) 2パック以上の輸血が必要な場合、又はヘモグロビンが2以上低下した場合

 上記以外は非重大性(non-major)としています。
 Majorの時のみ即座に抗凝固薬の中止を勧告しています。



2) 凝固系の血液検査の意義

   抗凝固薬の効果の程度とリスクを血液検査で推測出来れば良いのですが、残念ながら現在では
   複雑で簡単ではないようです。
   ワーファリンはINR(PT)、プラザキサはAPTTが有効ですが、その他のDOACはPTとAPTTを参考に
   調べますが、正常範囲では副作用は無いかもしれないが効いているかもしれないし、異常値(延長)
   であっても過剰投与とは言えないし、逆に効いているかもしれない。
    (私の好きな表現ですが、異常値の時は慎重投与と言う事でしょうか?)



3) 抗凝固薬における出血が確認された場合は

  a) 患者の合併症を調べて出血の悪影響に注意する。
  b) ジワジワとした出血が無いかを注意する。



4) 出血が落ち着いて抗凝固薬を再開する時の注意事項は

  a) 患者及び家族と十分に相談して、コンセンサスを得る事
    例えば、心房細動患者がDOACを30日間中断すると25%程の脳梗塞発症の増加が認められる。
    また消化器系の出血の場合も、再開による出血の危険性は稀としています。
    特にワーファリンと比べてDOACではその点で優位です。1週間後に再開するのが一般的です。
    但し、脳内出血の場合は重症化する危険があり、特に抗血小板薬を2剤併用している症例では
    十分な管理と、その継続期間について、各ガイドラインを参照とのことです。
    この場合は1か月後の再開が一般的としています。
  b) 手術や検査でDOAC中止を必要とする場合に、その期間は各薬剤の半減期を腎機能と勘案して、
    出血のリスクが少ない場合はその2~3倍、リスクが高い場合は4~5倍の間隔をあける事を推奨
    しています。  (PDFの表を参照)





        
私見)
 本院で関連する内容のみを纏めてみましたが、各グラフはPDFにて掲載します。





Oral Anticoagulants.pdf


プレゼンテーション1.pdf














posted by 斎賀一 at 20:43| Comment(2) | 循環器