2017年11月14日

感染性下痢症のガイドライン

感染性下痢症のガイドライン
 
2017 Infectious Diseases Society of America Clinical Practice
Guidelines for the Diagnosis and Management of Infectious Diarrhea



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 アメリカのIDSAから感染性下痢症に対するガイドラインが既に発表されていますが、この機会にブログにしてみました。



また、いつものようにザックリと纏めてみました。


1) 発熱、血便、粘液排出、腹部症状が強い時、敗血症を疑う場合は、サルモネラ、赤痢菌、カンピロ
   バクター、病原性大腸菌等を鑑別するため便培養を実施する。

2) 3か月以下の乳児、敗血症の疑いがある場合は血液培養も行う。

3) 数人での同時発生や集団発生の疑いがあれば、やはり便培養を行う。

4) 適切な便のサンプルが必要だが、タイミングが合わない場合は直腸からのスワブでの採便でも良い。

5) 一般的な検査(白血球、CRP、腎機能検査)は、出血性病原性大腸炎などによるHUSを疑う時以外
   は必要性がない。
   経過が長い時(2週間以上)には大腸ファイバー検査も考慮して、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群
   との鑑別をする。

6) 小児や発熱、血便を伴う下痢の場合は、経験的抗生剤投与を(確定診断の前に)行う事もある。
   一般的には、シプロキサン、ジスロマックを用いる。
   3か月以内の乳幼児は、第三世代のセファロスポリン系かジスロマック
   シガトキシンー2(最近ではベロ毒素―2といいます。ベロ毒素−1よりも2の方が病原性が高い。)
   を有する感染性大腸菌は原則として経験的抗生剤を投与しない。
   シガトキシンー2が無ければ抗生剤を投与しても良いとしています。

7) 補助的な治療としては経口補水が基本
   嘔吐を伴う乳幼児では鼻腔カニューレを用いる。
   重症例や経口補水が不可能な場合は点滴療法

8) 6カ月から5歳の乳幼児には経口亜鉛サプリメントが有効
    (下記PDFを参照)

9) 一般的な全身症状が無い場合は勤務可能であるが、厳格な管理が必要な職場ではそれに見合った
   対応が必要となる。

10) 止瀉薬のロペミンは18歳以上で用いてもよい。
   嘔吐を伴う場合は、4歳以上でナウゼリンを使用する。
    (本院では五苓散)

11) プロバイオテックスに関しては意見が分かれる。
    (本院ではタカナシヨーグルトを推奨)




私見)
 発熱と血便が抗生剤投与の基準のようです。
 しかも、便の細菌学的培養の結果が出てから投与すべきとしています。
 確かにそうだとは思いますが、後ろ盾のない実地医家にとっては、ガイドラインは高嶺の花と感じる時が
 あります。




Infectious Diarrhea.pdf

感染性下痢の抜粋.pptx

経口亜鉛.pdf








posted by 斎賀一 at 20:42| Comment(1) | 消化器・PPI