2017年11月06日

慢性腎臓病(CKD)の栄養指導

慢性腎臓病(CKD)の栄養指導
 
Nutritional Management of Chronic Kidney Disease
                 n engl j med 377;18 nejm.org November 2, 2017


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 NEJMより慢性腎臓病(CKD)に対する栄養指導の総説が載っていました。
従来の日本におけるガイドラインとは若干異なる感じですので、纏めてみました。


蛋白質について

 1) 動物実験では1.5gr/kg/day以上の蛋白を摂取させると、腎臓の糸球体濾過率が亢進して炎症の  
    前段階を誘発し、腎疾患を悪化させることが証明されている。
    これは糖尿病性腎症と同じ原理である。

 2) 動物実験では、蛋白制限食は腎臓糸球体の輸入細動脈を収縮して糸球体圧を低下させるので、
    濾過率も低下して腎臓病の悪化を防ぐ。
    (PDFのグラフをご参照ください。)

 3) 人体では、動物実験程には低蛋白食が軽症の腎臓病に対して効果が無いとされていましたが、
    最近の研究では、軽症段階のCKDにも効果あるとのデータが蓄積されるようになりました。

 4) 中等度以上のCKDでは0.6~0.8/kg/dayが一般的だが、0.6以下の場合もある。しかし糖尿病性
    腎症、高血圧性腎症、多発性腎嚢胞などでは1.0以下程度の軽めの蛋白制限の方が、糸球体圧を
    維持していて予後が良い。


食塩について

 1) 食塩制限がCKDの予後に好影響力があるかは明白でない。
    しかし一日に4.5gr以上と2.7gr以下では両方ともCKDの悪化を招く。

 2) 一般的には4.0gr以下が推奨されている。
    但し、水分貯留の症状がある時には3.0gr以下が適当


カリウムについて

 1) 健康な人においては、高カリウム血症が無ければカリウムの摂取は4.7gr/day以上あった方が
    心血管疾患の予防にもなる。

 2) しかしCKDの人はカリウムの摂取が多いと悪化する。
    また、血清カリウムが5.5以上と4.0以下の場合もCKDは悪化する。
    当然、高カリウム血症の人はカリウムの摂取制限が必要。
    過剰なカリウム摂取制限は、逆に心血管疾患の悪化を招く。


その他、リン、カルシウム、ビタミンD

    ほぼ日本のガイドラインと同じなので下記のPDFをご参照ください。



蓄尿にて栄養指導が適切かを、定期的に判定する事が大事だとしています。





私見)
 蓄尿により摂取量を判定する計算式があり、ネットにより検索できます。
 下記にサイトを紹介します。それぞれの特徴があるので選んでください。(登録が必要なサイトもある
 ため注意してください。)
 本院も初期のCKDに積極的に蛋白摂取の指導を行います。




http://www.shiga-jin.com/calculation/05.html

https://pfizerpro.jp/cs/sv/calculator/calculatorC_D/generalcontents/1259743301701

https://www.adpkd.jp/selfcheck/calc_protein.html




下記にNEJMの表とグラフをPDFで掲載します。

CKDの文献から抜粋してやはりPDF化しました。

  

  1) 腎臓病診療に自信がつく本;株式会社カイ書林
  2) CKD診療ガイドライン2012:日本腎臓病学会
  3) やさしい慢性腎臓病の自己管理;医薬ジャーナル社




NEJMより.pdf

CKDの栄養指導.pdf

腎臓の働きを少しでも長持ちさせるには?.pdf

新CKD-MBDガイドラインを活用し適正なリン管理を/秋澤忠男氏が変更点を解説.pdf











posted by 斎賀一 at 20:41| Comment(1) | 泌尿器・腎臓・前立腺