2017年10月02日

急性中耳炎に対する抗生剤の適応基準

急性中耳炎に対する抗生剤の適応基準



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 Medscapeに急性中耳炎(AOM)に対しては、抗生剤を的確に使用すべきとの記事が載っていました。
やや踏み込んだ見解とも思われますが、一応纏めてみました。


1) これはNICE(National Institute for Health and Care Excellence)の本年の草案に基づいて
   の見解です。  (下記のPDFを参照ください。私は未だ熟読していません。)

2) AOMは多くの乳幼児(4人に1人)が罹患します。
   ほとんどが1〜3日で軽快する。稀に1週間続くこともある。

3) NICEによるガイドラインの草案では、軽症のAOMは抗生剤を服用しなくても、24時間以内に60%
   が治癒する。

4) 抗生剤を投与する場合は、3日以上症状が続き軽快しない時や、耳漏を伴う場合としています。


やや極端とも取れる見解なので、ここはUPTODATEで調べてみました。

1) 抗生剤を服用しなくても1週間以内に耳痛は軽快する。
   滲出性中耳炎でも下記の如く2週間で自然軽快する。



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2) 耳痛にはカロナール(アセトアミノフェン)、ブルフェンが有効

3) 抗アレルギー薬の使用は経過を長引かせるとのデータがある。
   鼻炎を軽快させてAMOに好影響があるかもしれないが、エビデンスはない。

4) 抗生剤の適応は

    a) 生後6カ月以内の乳児
    b) 6カ月から2歳以内では両側のAOM、耳漏を伴う場合とAAP(アメリカ小児学会)は指示して
      いますが、uptodateの筆者は鎮痛薬のみでは治療不成功が多く、1歳未満では抗生剤の適用
      ありとしています。
    c) 2歳以上では2日以上続く症状、39°以上の発熱、両側のAOM、耳漏を伴う場合としています。



5) ランダマイズ試験の結果を見ますと、それなりに抗生剤の効果は出ています。



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私見)
 抗生剤を投与する事は結果的には有効かもしれませんが、抗生剤の耐性化は世界的に問題となって
 います。 
 現在も、また次世代にも負の遺産を残さないために、早急な対策が必要です。
 その観点から、AOMの適切な抗生剤の使用が求められています。
 一応1才未満の乳児に対しては、直ぐに抗生剤を投与する事が認められているようです。
 ただし厳格な診断が必要としています。





Antibiotics 'Not Needed' for Common Ear Infection.pdf


draft-guideline.pdf










posted by 斎賀一 at 20:32| Comment(1) | 小児科

耐性菌の対策キャンペーン

耐性菌の対策キャンペーン



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 耐性菌(AMR)に対する啓蒙と対策が厚労省より発表になりました。
医療従事者としても重く受け止めなくてはと思います。
 (以前の私のブログもご参照ください。)
尚、前の厚労省発表の抗生剤適正使用に関する手引書のダイジェスト版も発表になりましたので、併せて提示します。 (ガンダムを採用しています。)



AMRのキャンペーン.pdf

ダイジェスト版.pdf

抗微生物薬適正使用の手引き.pdf